乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
ED後、忙しいために、アシュヴィンと一緒にいられない千尋は…。
常世の国が平和になって、一ヶ月。
落ち着く間もなく、忙しい日々が続いていた。
「妃様、ここの場所はどうも人手が足りないようで」
「うーんと、すぐ手配してもらっていいですか?」
「かしこまりました」
「妃様」
「えーと」
千尋は臣下の者たちに、仕事に追いやられていた。
土地が元の美しい場所に戻ったとはいえ、今まで荒れて誰もいなかった。
そのため、何も施されていない。
人が住むにはまだ時間がかかりそうだった。
そんな場所がいくつもある。
それと同時に、今ある村の現状も見なければならない。
そして他の国とのやりとり。
とにかく仕事は山ずみだった。
それに伴い、アシュヴィンは外へと赴き、千尋は中で仕事をしている。
そんな日々が続いていた。
「ふぁーーー、終わったーーー」
一段落がついた頃には、もう日も暮れていた。
「お疲れ様でした。あとはまた明日に」
「うん、リブもお疲れ様」
「では、失礼します」
そう言うとリブは、部屋から出て行く。
「もう……、夜か」
千尋が窓の外を見ると、太陽は沈み、夜も更けてくる。
「そういえば、アシュヴィンはいつ帰ってくるのかしら?」
アシュヴィンが出かけてから、2日は経っている。
「最後に話したのいつだっけ……」
最近ではお互い忙しすぎて、話どころか顔を見ていない気がする。
「会いたい…な。やっぱり」
(本当はもっと一緒にいたい。でもそれはわがままだ)
今は自分の事よりも、国の事が優先。
わがままを言って、アシュヴィンを困らせたくない。
(寂しいと思ってしまうのは、まだ一緒にいる時間が少ないからかな<)/br>
出会ってからも、結婚してからも。
2人で過ごす時間は少ない。
それを寂しいと思っていても、口に出さずにいた。
「アシュヴィン……」
思わずその名を呼ぶ。
その千尋の呼び声に、静寂が訪れると思った。
「何だ?」
「え……」
千尋が振り向くと、そこにはアシュヴィンがいた。
「え……嘘。何で幻?」
「お前な。そんな訳ないだろう」
アシュヴィンは呆れながらも、千尋の側へと近づいてくる。
「え?え?まだ当分時間がかかるって聞いたよ」
「そりゃーー、お前。必死に終わらせてきた」
「どうして……?」
「早く帰って、お前に会いたかったから。に決まってる」
「アシュヴィン……」
「待たせたか?ん?」
そう優しい声と笑顔で、千尋に語りかけてくる。
千尋は気がつくと、アシュヴィンに抱きついていた。
「何だ、熱烈な歓迎だな。そんなに寂しかったのか?」
「そ、そんなことないよ」
「嘘付け。お前バレバレだぞ」
「え!!嘘」
「ほら、な」
「ーーーーーーーーっ!!」
あっさり千尋の考えがバレてしまい、千尋は恥ずかしくなってくる。
そんな千尋にアシュヴィンは強く抱きしめた。
「すまないな。もう少し一緒にいてやれればいいんだが」
「仕方ないよ。大事なお仕事だもん」
「千尋」
「ん?」
「辛かったり寂しくなったら、ちゃんと言えよ」
「でも………」
「2人でいる時は、思ってる事は全部言え。1人で苦しむな」
アシュヴィンの言葉に、千尋の寂しさが消えていく。
「今は大変だが、こうして時々休息をとるのも大事だ」
「うん…」
「それに、千尋の側は心地いいからな」
「うん。私も一緒にいると嬉しい」
「そうか……。なら今からお前に付き合ってやる」
「ほんとっ」
「ああ。2人だけで過ごそう」
「うん!!」
アシュヴィンの言葉に、千尋は嬉しそうに喜んでいる。
「あ、そうだ。言い忘れてた」
「?」
「アシュヴィン。お帰りなさい」
「ああ、ただいま」
千尋の言葉に、アシュヴィンもまた微笑む。
2人は寄り添って奥の部屋へと向かっていった。
~fin~
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プロフィール
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文月まこと
性別:
女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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