乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
ED後。シャニと一緒にいる千尋をみて、アシュヴィンは…。
「あ、義姉様ーーーっ」
「シャニ」
千尋に気がついたシャニが、側に駆け寄ってきた。
シャニは千尋と出会ってから、ずっと千尋を慕っている。
それはアシュヴィンと結婚した今も変わらない。
シャニは今も念のために、療養中だった。
「義姉様。今日のお仕事は?」
「今日はもう終わり。一段落ついたところよ」
「じゃあ。今日はこれから僕に付き合ってよ」
「いいわよ」
「僕の部屋でお話しよ?」
「ええ」
「やっと、今日の仕事が片付いたな」
「お疲れ様です」
リブがいつも通り、お茶を用意してきた。
それを飲んで、アシュヴィンは落ち着く。
「千尋は?」
「妃様ですと、先程からシャニ様の所へ伺ったと聞いておりますが」
「シャニの所に?」
「ええ。シャニ様は大分、妃さまの事がお好きのようで」
「…………」
「明らかに、不機嫌になるのはやめてくださいますか」
「そんなことはない」
「もっと余裕を持たないと、妃様に飽きられますよ」
「……リブ」
アシュヴィンは誤魔化す様に、リブのお茶を飲んだ。
「………全くあいつは」
アシュヴィンは気がつくと、シャニの部屋まで来ていた。
千尋の迎えとシャニの顔が見たかったからだ。
――――コンコンッ。
「はーーーい。あ、兄様」
「よう、シャニ」
アシュヴィンに駆け寄ってくるシャニは、相変わらず元気そうだ。
「具合はどうだ?」
「もう、全然平気だよ。出雲でも大丈夫なのに」
「そうか。ま、一応な」
「アシュヴィン、迎えに来てくれたの?」
シャニに続いて、千尋も顔を出す。
「まあな。シャニの様子も気になったし」
「兄様と話すのも久しぶりだね。すっごい忙しいんだもん」
「一応皇だからな。融通が利かないんだ」
「でも、その分義姉様とお話出来て楽しかったよ」
シャニのその言葉を聞いて、アシュヴィンは複雑な気持ちになる。
「そっか。千尋世話をかけたな」
「ううん。私も楽しかったし」
「また、遊んでね。義姉様」
「うん」
「シャニは千尋が大分気に入ってるな」
「うん。だって、義姉様大好きだもん。兄様と結婚しなかったら、僕が結婚したかったくらいだよ」
「ほーーー。モテるな、千尋」
アシュヴィンの声のトーンが下がっているのは、気のせいだろうか?
「もーー。シャニーー」
「ははっ。じゃあ義姉様、兄様。お休みなさい」
「お休み、シャニ」
「ゆっくり休めよ」
「アシュヴィン、怒ってるの?」
「別に」
自室への帰り道、アシュヴィンは無言のままだ。
「さっきの気にしてるの?」
「いや」
(嘘だ。絶対気にしてる!!)
「もーーー。シャニはまだ子供だよ!シャニは女の人、大好きだし」
「お前な……。それでも面白くないんだよ。シャニだって、一応『男』なんだし」
「………………」
思いがけないアシュヴィンの嫉妬に、思わず顔が熱くなる。
こんな些細な事で、彼が自分を想っているとわかると、千尋は自然と嬉しくなる。
「アシュヴィン」
「何だよ」
千尋はアシュヴィンの手を握る。
「私は、アシュヴィンの奥さんなんだからね。それが何よりも幸せだよ」
「…………………………」
「アシュヴィン?」
何も返答がないアシュヴィンに、千尋は首を傾げる。
「お前って、すごいな」
「え…………?」
「そういうこと言われると、やっぱり嬉しいもんだ」
「そう?」
「ああ。おかげで怒りもおさまったしな」
千尋の言葉一つで、気分が浮上する自分は単純だ。
でも、そんな自分が嫌いじゃない、とアシュヴィンは思う。
「帰るか、俺の奥さん」
「うん」
言われた千尋も嬉しそうで、その顔につられてアシュヴィンも笑う。
2人は手をつないで、歩き出した。
~fin~
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プロフィール
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文月まこと
性別:
女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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