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乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
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ノヴァ×フェリチータ


 

「……おい、お前には学習能力がないのか」

「え?」

声をかけられても、フェリチータは声のほうが見えていなかった。

持っている本が視界を塞いでいた。

だが、その視界はすぐに明るくなる。

その視界の先には、ムッとした様子のノヴァがいた。

そしてノヴァの手には、本が数冊。

どうやら、フェリチータが持っていた本を取ってくれたらしい。

「あ……ありがとう」

「全く……また勉強用か?」

「うん……」

まさにその通りで、フェリチータは勉強するために本を借りていた。

そして、その本を返却する途中だった。

「以前も言っただろう。どうして、懲りないんだ」

「ご……ごめん」

前にもこうして注意されて、ノヴァに本を持ってもらった。

本を沢山読んであれこれと詰め込むのではなく、効率よく勉強する方法も教わったのに…。

「どうしても、色々と気になっちゃって……。あれもこれもって、選んでるうちにいっぱいになっちゃった」

フェリチータは言っていて、声が小さくなるのがわかる。

そんなフェリチータにノヴァはため息をついた。

これは、完全に呆れているため息。

「怪我をしたら、危ないだろう。幹部なのだから、自分の責任は持て」

「う……」

ノヴァの正論に、フェリチータは何も言い返せない。

「仕方ないな」

「ノヴァ?」

「本を探すのに迷った時には、僕に言え」

「ノヴァに?」

「ああ。その方が効率がいい」

思わぬ申し出に、フェリチータは目を丸くした。

確かにありがたいけど……。

「でも、ノヴァの迷惑にならない?」

「お前に怪我でもされるよりはマシだ」

「……っ」

厳しい言い方はするものの、その中には優しさも含まれている。

フェリチータにはそれが伝わっていた。

「よろしくね」

「ああ」

一緒に歩いていると、自然に笑みが零れていく。


2人で歩く距離が、とても楽しい時間になっていた。




~fin~

 

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プロフィール
HN:
文月まこと
性別:
女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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