無防備な君。

ノヴァ×フェリチータ

 

「まったくお前は…」

「そんなに怒らなくても……」

怒りを露わにするノヴァの様子に、フェリチータは身を縮ませた。

居心地が悪い。

「隙がありすぎる。もっと警戒しろ」

「だって……まさかあんな風になるなんて……思わなかったんだもん」

「それが甘いって言うんだっ」

「…………はい」

事の発端は、観光客に道を聞かれた事。

フェリチータはその対応をこなして、問題なく終わろうとしていたのだが……。

観光客である男は、フェリチータをナンパし始めた。

観光客相手に実力行使をしていいものかと悩んでいるところを、ノヴァが通りかかった。

揉め事なく対応するのもアルカナ・ファミリアだ。

ノヴァは丁寧に対応し、フェリチータを助けてくれた。

そして今は、そのお叱りを受けている最中だ。

「あれくらい上手く交わして…、応対する術を身に着けろ」

「うん……」

ノヴァの言葉は厳しいものの、正論なので素直に頷く。

「ごめんね……。ありがとう」

怒られるばかりで、ちゃんと礼を言ってなかったことを思い出す。

「……」

その様子に、ノヴァは怒りをおさめたようだ。

「まったく……心配させるな」

「え？」

ノヴァの声が聞き取れず、フェリチータは首を傾げていた。

「何でもないっ！！ほら、仕事に戻るぞ」

「あ……うんっ」

急に早足になったノヴァの後ろを、フェリチータは慌てて追いかけていた。

 

～fin～