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乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
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GS3。

琉夏×バンビ。

主人公の名前は、「小波 美奈子」です。

「温度差」の琉夏視点。



――外が暗くなると同時に、俺の気持ちも暗くなった。


「雨か……」

帰宅の時間になって昇降口へ来ると、

琉夏は足止めをくらった。

外は雨。

しかもどしゃ降りだった。

これでは家に着くまでに、確実に濡れてしまう。

「琉夏くん、どうしたの?」

「あ、美奈子」

後ろからひょっこりと声をかけてきたのは、美奈子だった。

その愛らしい顔を見ると、自然と笑みが零れてしまう。

「こんな天気だろ。どうするかなぁって思ってさ」

「傘ないの?」

「うん、ない」

傘など持っているはずがなく、最早『諦める』しか選択肢にはない。

「だから、走って帰ろうかなぁって思ってたとこ」

「ええっ、風邪引いちゃうよ」

琉夏の言葉に、美奈子は当然ながら目を丸くしている。

そんな美奈子から漏れたのは、救いの言葉だった。

「一緒に帰ろ?私傘持ってるし」

「やたっっ。ありがとう、美奈子」

美奈子の申し出ももちろん嬉しかった。

けどそれよりも、美奈子と帰れる事のほうがもっと嬉しかった。


美奈子が傘を開くと、琉夏は自然とその持ち手へと手が伸びる。

「俺が持つよ、傘」

「え……でも」

「美奈子の身長だと、俺の背まで届かせるの大変だろ?」

「う……」

美奈子と琉夏の身長差では、美奈子の手が痛くなりそうだ。

琉夏の言葉に納得した美奈子は、申し訳なさそうに傘を渡してくれる。

「ごめんね」

「むしろ俺が助かってるんだから、気にしないで」

「うん……」

気にしてしまうのは、美奈子の性格なのだろう。

人の事ばかり気遣って、自分の事はおざなりになる。

ふと美奈子を見れば、その小さな肩は濡れていた。

やっぱり折り畳み傘は、少し小さいようだ。

「美奈子」

「え?」

「濡れるから、もっと傍に来て」

「あ……うん」

そう言えば、躊躇いがちに美奈子は琉夏の方へと身体を寄せる。

琉夏は何故か、その身体をもっと抱き寄せたい衝動に駆られた。

だが、そんな事は出来ない。

付き合っているならともかく、ただの友人では……。

美奈子はまだ、自分の気持ちを知らない。


もし、昇降口に居たのが自分ではなく、

琥一や他の男でも美奈子はきっと同じ行動に出るだろう。

そんな事を考えると、胸が痛くて仕方がない。

そんな気持ちを美奈子に知られたくない。

 


この気持ちはまだ、気づくわけにはいかない。

まだ、知らないままにしておきたかった。


~fin~

 

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文月まこと
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自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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