乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
荘介✕信乃
現在、部屋の空気が重たく感じるのは気のせいじゃない。
「え……と」
「…………」
信乃は今とても居心地が悪く、その視線から逃れたかった。
思わず正座になってしまう信乃を、荘介が静かな怒りを持って見つめている。
「全くあなたは……」
「いや、大したことじゃないし……」
「どこが大したことじゃないんです。木から足を滑らせて、傷まで作って……」
「傷はすぐに塞ぐし……」
「そういう問題じゃないです」
信乃は自分の言葉で墓穴を掘っていた。
信乃が言葉を重ねれば重ねるほど、荘介の怒りは増していくようだった。
原因は自分にあるので、仕方がない……。
「……悪かったって……」
「………」
元々の原因は風に飛ばされた帽子が気に引っ掛かり、取れずに困っていた人を見つけたからだ。
信乃は自身の身軽さで木へと飛び移り、簡単に帽子を取った。
だが、木の枝は思ったよりも脆く、油断もあってか落ちてしまった。
着地はしたものの、多少手に傷はつく。
その血の匂いがわからない荘介ではない。
すぐにバレてしまい、荘介に問い詰められていた。
「人助けをすることは良いことです。ですが、信乃は自分の力を過信しすぎです」
「わかった……から。気をつけるって……」
「そう言って、何回か繰り返してますよ」
「……っ」
信乃は言い返したかったが、出来なかった。
荘介は怒りではなく、心配そうな顔で自分を見つめていたから……。
「心配させないでください」
「……ごめん」
自分を大事にしない事に、荘介は腹を立てている。
きっと、自分も荘介が自分を蔑ろにしたら……怒るから……。
だから……受け止めるしかない。
「…………」
荘介の想いが信乃に伝わったのか、信乃は反省した顔を見せていた。
悲しい顔をさせるのは、自分の本意では無い。
荘介は笑って、信乃へと告げた。
「次、こんな事したら、すぐに浜路に言いますよ」
「か……勘弁して……」
あの大事な妹が知ったら、きっと怒り狂うに違いない。
そして、どんなことが待っているか……。
考えただけでも恐ろしい。
「すぐに食事の支度しますから、待っててください」
「うん、わかった」
先程までの重たい空気が変わり、いつもの穏やかな空気になる。
それが何よりも大事な居場所だった。
~fin~
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プロフィール
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文月まこと
性別:
女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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