乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
荘介✕信乃
その音が聞こえる度に、いつも泣きたくなる。
今日もその音を聞いて、信乃は声にならない悲鳴を上げた。
「っ!!」
「信乃、大丈夫ですか?」
「そ……荘介」
すぐに荘介が信乃に駆け寄ってきて、その身体を自分の腕の中へとおさめた。
小柄な身体は小刻みに震えている。
「怖い……ですか?雷……」
「ちょ……とだけな」
信乃は雷が苦手だ。
昔はそれを信乃は必死で隠していたが、長い付き合いである荘介には甘えてきた。
ぎゅっと荘介の服にしがみついている。
すると、また遠くで音が聴こえる。
「っ!!!」
最早泣きそうになっている信乃の耳を、荘介が塞いだ。
「……荘?」
「こうすれば聞こえないでしょう?」
「……うん」
聴こえるのは荘介の声、荘介の……心臓の音。
感じるのは……荘介だけ。
自分を安心させてくれるのは……荘介だけだ。
「荘介の傍が……一番安心する」
「そうですか?」
「ん……」
まだ遠くでは雷が聞こえる。
けれど……先ほどの震えはすっかり止まっていた。
~fin~
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プロフィール
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文月まこと
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女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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