乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
夏コミで無料配布した四白視点の荘信(子供時代)ですーー。
――どうも、四白です。
お久しぶりの方も、初めましての方もよろしくお願い致します。
年齢は秘密ですが、犬塚信乃の飼い犬です。
現在、訳あって信乃の幼なじみの犬川荘介と身体を共有しています。
その辺りは前回にお話をしたのですが、簡単にご説明させていただきますね。
荘介は人である自分の姿と、犬である私の姿に両方になれます。
ほとんど荘介が表に出ているので、私は荘介の視点から感じ取っています。
今は荘介が主で動いていて、私は荘介と共有しているだけ。
その辺の仕組みは複雑ですが、私は何もしなくても2人の生活を見ています。
便利ですねっ。
今では信乃と荘介の親代わりとして、彼らを見守っています。
見ることしか出来ないんですけどね。
前回は2人の生活を覗いたので、今回は昔話でもしましょうか?
年寄りの話は長くなりますけど、どうぞお付き合い下さい。
――大塚村。
「……」
あ……あくび。
天気がいい日は眠くなります。
ゴロゴロとして、ご飯まで待ちますかね。
それとも……。
身体をすっかりと落ち着けて、うとうととしかけた時でした。
「信乃、大人しく寝て下さいっ」
「やだっっ」
大きな声で言い合う2人。
その声に、こちらは思わずため息がもれます。
……またですか。
ちらりと視線を向ければ、廊下では荘介と寝間着姿の信乃が何かもめていますね。
まあ……大体の予想はつきますが……。
「今は何ともないから平気だってっ。だから……遊びに……」
「昨日は熱があったばかりなんですよ!!!」
「今は下がったから大丈夫だっ」
「信乃っ」
「……荘介は心配しすぎなんだよっ」
「信乃は……自分の身体にもう少し気遣ってください」
「そんなの……荘介に言われたくないっ」
「信乃っ!!」
「…………」
「…………」
――ああ、この展開はまずいですね……。
2人は苛立って……黙りこんでます。
――このままでは。
本当なら仲裁に入りたいんですが、ここはあえて見守りましょう。
自分の気持ちをぶつけることは大事ですからね。
けれど、事態はあまり思わしくないようです。
顔をあげた信乃は、怒った顔のままで……どこか悲しみもある表情でした。
「……荘介は俺を部屋に閉じ込めてれば……満足なんだろ」
「そんなことは言ってないでしょう……俺は」
「もういいっ」
「信乃っ!!」
これで話は終わりとのばかりに、信乃は自分の部屋へと閉じこもりました。
荘介の声は届かずに……。
静かになったその場所に、荘介は立ち尽くしています。
「…………」
荘介も自分の気持ちが上手く伝わらず、喧嘩になってしまったので……悲しい顔をしていますね。
――やれやれ。
互いが互いを思う故、の喧嘩でしょうかね、これは。
信乃の身体が心配な荘介。
荘介と一緒に遊びたい信乃。
それだけなのに‥…。
まったく、見ててもどかしい子供たちですね。
――それから信乃は部屋へと閉じこもったまま。
荘介は、信乃の部屋の前の縁側に座り込んだまま。
まったく――。
ここは私が何とかするしかないですね。
そう思い……私は荘介の傍へと近づき……荘介の隣に座りました。
「……四白」
荘介の顔は悲しみに満ちあふれていて……。
信乃を怒らせた事を相当堪えているようです。
「ダメですね……。信乃を怒らせてしまいました」
仕方ないです。
荘介は信乃を心配してるだけなのですから…‥。
「もっと……信乃の気持ちを汲んであげればよかったのですが…・…どうしても信乃が心配で……」
――。
「どうしても……上手くいかないです。信乃にだけは……」
それも仕方ないです。
特に信乃は……わがままのところもあり……強い意思を持っています。
人と関わることは……自分の思うようにいかないものですよ、荘介。
過去の記憶を持たない荘介は、人とどう関わってきたかも覚えていない。
そんな荘介が関わった初めての人が……信乃。
喜びや悲しみ、怒りや楽しみ……その感情も信乃と出逢って、初めて実感出来ているのです。
だから……。
荘介が上手く立ち回れなくても、それは人との付き合いでは仕方がないこと。
むしろ、その経験を経て……学んでいくのですから……。
私は荘介の肩を軽く叩きました。
焦らず……ゆっくりとやっていきなさい。
そう想いをこめて……。
「四白……ありがとう」
荘介はぎこちない笑みを作って……こちらへと向けてくれました。
――さて、そろそろでしょうかね。
そう思っていると、近くの戸が開きました。
「信乃……」
「…………」
部屋から出てきたのは信乃で、ジッと私たち……いえ荘介を見ていました。
「……荘介、ごめん」
「……信乃」
多分私たちの会話……荘介の声だけなんですが……それが聴こえて……信乃が出てきたのでしょうね。
信乃の顔は怒りはどこかへと消えて、信乃もまた悲しい顔をしていました。
「俺……荘介と一緒に遊びたかっただけなんだ」
「信乃」
「ごめ……」
最早泣いていた信乃に、いつの間にか立っていた荘介が……信乃の頭を撫でています。
その温もりを受けて……信乃が荘介へと抱きついていました。
荘介もまた……信乃を抱き返してて……。
「体調が整ったら……また出かけましょう?」
「ん……」
涙を流しながらも、信乃はようやく笑顔になって……。
その笑顔を見て……荘介も本当の笑顔になっていました。
――ふう、世話が焼けますね。
これでは進展するのも……まだまだ先のような気がしますよ。
2人の恋は……。
――現在。
「信乃、また買い食いしましたねっ」
「ううっ」
どうやら……買い食いをして……お金を無駄使いをしている信乃を荘介が怒っていますね。
何年経っても、2人は喧嘩が絶えないようです。
昔から……変わりませんね。
けど、変わったこともあります。
「だって、腹減ったんだよっっ」
「全く……」
呆れる荘介ですが、信乃へと何かを渡しています。
「荘介?」
「クッキー作りましたから……これでも食べててください。すぐに夕飯にしますから……」
「やったー」
嬉しそうな信乃に、荘介も喜んでいるのが全身でこちらに伝わってきます。
荘介は前以上に信乃に対して過保護で……甘くなってますね。
それに信乃も荘介には甘えてます。
微笑ましい……微笑ましいのですが……。
何というか2人の空気が甘い気が……。
信乃が荘介へと抱きついてきて、その笑顔を荘介へと向けています。
「ありがとう……荘介」
「信乃……」
荘介が身を屈めて……信乃に……。
――あ……この感じは。
…………すみません、伝えづらいです。
………………しかもすぐに終わらないし……。
――ふう、やれやれ。
想いが通じ合ってよかったですが、ここにいる人……いえ犬の存在も忘れないでほしいものです。
まあ……仲がいいことはいいんですが……親心としては複雑ですね。
声は届いてはないんですけどね……。
――って、まだですか……。
――ああ、荘介が信乃を抱き上げてるし……、部屋に向かってるし……。
仕方ありませんね、これ以上はもう見てはいられないので……今日はここまでにしましょうか。
2人の仲に幸あれ。
~fin~
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プロフィール
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文月まこと
性別:
女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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