乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
のざちよ夫婦編。
私は待ち合わせ場所に急ぐ。
きっと、もう彼は待ち合わせ場所にいるから、私は急ぎ足で向かうけど……人混みが多いからちっとも進まない。
うー、久しぶりに鹿島くんと結月と会ったら、遅くなっちゃったよーー。
3人で会うと、つい話が進んじゃうから……。
「えーと、梅太郎くんは……」
今日は外で待ち合わせて、梅太郎くんと食事することになっている。
梅太郎くんも今日は剣さんとの打ち合わせがあったので、せっかくだから……と外で待ち合わせることになった。
その結果がこれだけど……。
せっかくの久しぶりの外でのデートなのにっ。
服装も気合い入れたのに……っ。
ようやく待ち合わせ場所の駅前のロータリーに来て、私は足を止めた。
「……あ……」
梅太郎くん発見っ。
梅太郎くんの身長はこの人混みの中でも目立つから、私は見つけやすい。
でも、梅太郎くんからはまだ私が見えていないだろうなぁ。
早く……梅太郎くんのところに行きたい。
そう思っている私の前から、不意に耳に入った声。
「ね……あの長身の人」
ん?
「あ……カッコいいね。彼女とか待ってるのかな?」
彼女じゃないもん、妻だもん。
「声かけちゃう?」
だ……ダメっっ。
私は先程よりもスピードアップして、梅太郎くんの傍に駆け寄った。
梅太郎くんも私を見つけてくれる。
「は……はぁ……梅太郎くんっ」
「千代、良かった。道に迷わなかったか?」
「う……うん……はぁ」
「そんなに急がなくても、俺は千代を置いていかないぞ」
息を整えている私の頭を、梅太郎くんが撫でてくれた。
ううっ、梅太郎くんの笑顔好きだけど、今はダメだよぉ。
その顔を誰にも見せたくないのに……。
あ……でも、私の前にいた子たち……、諦めてくれたみたい。
いつの間にかいなくなっていた女の子たち。
私が来る前に、どれだけの人が梅太郎くんを見てたのだろう。
そう思うともやっとする。
「…………」
「千代…どうした?」
黙りこんでしまった私に、梅太郎くんが覗きこんでくる。
そんな梅太郎くんの腕に、私はギュッとしがみつく。
「千代?」
「早く……二人になりたい……かも」
「っ……」
だって、梅太郎くんの奥さんは私だもん。
梅太郎くんの特別な顔は……私だけの特権だから……。
「帰るぞ」
「え……ふぇっ」
だって、今から食事に行くんじゃないのっっ。
その疑問は、梅太郎くんの勢いに負けて、私は何も言えなかった。
ううう……怒らせちゃった?
梅太郎くんの言葉通り、私たちはあれからすぐに家に戻ってきた。
ドアを開けて、中に入った途端―――。
「あの……梅太郎く……んっ」
息つく間もなく、私は梅太郎くんに唇を重ねられる。
え?え?え?
何で……急に?
貪るようにキスをされて、私はようやく梅太郎くんへと問いかけた。
「ふぁ……梅太郎……くん?」
「千代が煽るから……抑えがきかなかった」
「あ……あ……おって?」
そんなつもりはなかったのに……でも……あれ以上、あの場所にいたくなかったから……いいかな?
「すまん。食事は後で俺が作るから……今は千代が欲しい」
「う……うん」
梅太郎くんに求められて、私は顔を赤くしながらも頷く。
それと同時に、梅太郎くんが私を抱き上げる。
私は梅太郎くんの首へとしがみつくと、梅太郎くんはまた微笑んでくれるから……私はまた困ってしまった。
fin
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プロフィール
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文月まこと
性別:
女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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