乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
のざちよ夫婦編の序章。プロポーズ編+みこりんです。
野崎くんの家でベタ作業中、それは唐突に起きた。
「……うーん」
あれ……?野崎くんが悩んでる。
顔も険しいし……漫画のことで悩んでるのかな?
「野崎くんどうしたの?」
「え?」
「何か悩んでるみたいだけど、私で良ければ話聞くよ」
「すまない……佐倉……実は」
「うん」
「佐倉……俺と結婚してくれないか?」
「うん……え?」
ん……?
何か今、不思議な単語が出てきたような……?
「野崎くん……今……なんて?」
「いや……だから、俺と結婚して欲しいんだ、佐倉」
「え……?」
え……えーと、結婚?
結婚ってあの……結婚?
誰と……誰が?
「ええええっ」
「佐倉?」
「そ、それって漫画のネタとか?」
そうだよ、うん。
野崎くんのことだから、漫画のネタかもしれないし……。
「漫画?いや……これは俺個人のことだが?」
「ふ、ふぇ!?」
「佐倉……俺と結婚してくれないか?」
「は……はいっ」
私は野崎くんに言われるまま、反射的に返事をしていた。
「っていうのがプロポーズだったんだよ、みこりん」
「はぁ?その時ってお前ら付き合ってなかったよな?」
「うん。だから、私もびっくりしちゃって……」
「……」
俺は佐倉の話を聞きながら、今日も漫画の作業を手伝っている。
さすが、野崎。
いきなりぶっ飛んでいる。
「よ、よかったな」
「うんっ」
ああ、佐倉はとても嬉しそうだ。
それ自体はいい。
彼女の長年の想いが身を結んだのだから……。
「で、結婚自体はいつだよ。大学卒業したらか?」
俺も佐倉も大学進学の進路は決まっている。
野崎は大学には行かず、漫画一本に絞ることになるが……。
「ううん。高校卒業したら、一緒に暮らすんだ」
「はぁぁぁ!?」
「そんなに驚くことか?御子柴」
食事を作っている野崎がキッチンから、顔を出す。
どうやら俺達の話は聞こえていたらしい。
「いきなり付き合いすっ飛ばして結婚かよ」
「ダメか?俺の蓄えは十分あるから問題はないが……」
「いや……本人同士がいいなら、別にいいけどよ」
展開がいきなりすぎて、俺はもうついていけない。
「佐倉が大学に行ったら、一緒にいる時間が減るからな。俺としては常に一緒にいたい」
「野崎くん……」
「………」
ダメだ、二人の世界に入った。
俺もいるんですけど……。
二人の幸せは嬉しいが、この甘い空気にはまだ慣れそうにもなかった。
fin
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文月まこと
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自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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