忍者ブログ
乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
2024/05月
≪04月  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  06月≫
[556] [555] [554] [553] [552] [551] [550] [549] [548] [547] [546
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


オビ→白雪。

アニメ楽しんでますよーー。現在の展開が楽しみで仕方ないです。





――それはある日のこと。


リリアスで作業をしている中で、不意に言われた言葉。
薬室に現れたユズリが唐突に言い出した。
「オビ君って、白雪ちゃんのこと『お嬢さん』って呼ぶんだね」
そう指摘されて、白雪もオビもふと手を止めて視線を合わせる。
「気がついたらそんな感じだったよね、オビ」
「うーん、そうだね。出会いが出会いだったからなぁ」
「あー」
「?」
二人が出会いの頃を思い巡らしていると、ユズリは当然ながらも首を傾げている。
「昔から呼んでたのがそのまま定着した感じだね。今さら変えるのも何か照れくさいよね、お嬢さん」
「確かに。私ももうオビの呼び方に慣れちゃったからなぁ……」
「なるほど。もう結構付き合いが長いんだね」
「そうですねっ……」
「……お嬢さん、そろそろ時間だよ。シダンさんに呼ばれてるんでしょ?」
「そうだったっ」
慌ただしく立ち上がり、その背中を追いかけながらユズリに声をかけられる。
「オビ君は白雪ちゃんの名前を呼びたいって思わないの?」
「さぁね」
ユズリの言葉をすり抜けて、オビは白雪の背中を追いかけた。


初めは刺客と標的。
次に伝令役……そして騎士。
気がつけば……白雪の傍にいるのが当たり前になっていた。
傍にいることを望み、何かあれば必ず助ける。
それが自分の立ち位置。
白雪の隣にいるべき主は――今は遠くの地にいるのだから……。


名前は呼べない、呼ばない。
名前を呼べばきっと……留めていた想いが溢れてしまう。
きっと……自分の身の内に浸透していくだろう。


……それは自分の中で譲れない境界線。

 


もう手遅れだろうけど――。

先を行く白雪が振り返って、こちらへと手招きをする。
「オビ――早くっ」
「今行くよ、お嬢さん」

 


名前を呼べない、呼ばない。
けれど……自分の名前を呼ばれれば……それだけで満足なんだ。

PR

Powered by Ninja Blog    template by Temp* factory    phot by Abundant Shine    icon by cherish

忍者ブログ [PR]

プロフィール
HN:
文月まこと
性別:
女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
pixiv
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
カウンター
ブログ内検索