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乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
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まだ想いを通じ合わせる前の二人。隼ツグ




――知らなかった想いが降り積もっていく。
ツグミは仕事終わりや空いた時間に……ふと図書館へと向かうことが習慣になりつつある。
この仕事をしてることもあり、自分が今まで知らなかったことを調べるためや興味を惹かれた作家さんの本を探すため――が主だ。
それは今日も同じ。
「えーと……」
目当ての本を見つけたものの、それは自分の背よりも高い位置にある。
「これなら届く……かな」
台を持ってくることも考えたが、背伸びすれば取れなくもないはず……。
そう思って、ツグミは背伸びをするが……。
「あと少しなんだけど……」
そう言いながらも何とか頑張っているが、先ほどから空振りしてばかり。
近くにいたある人に頼むことも考えたが、それはすぐに振り払った。
これはもう台を持ってきたほうがいいか――と思っていた時。
目的の本が動いた。
「……っ!」
「ほら」
いつの間にか隣には隼人がいて、ツグミへと本を差し出す。
彼の手には目的の本。
「あ……ありがとうございます」
「どういたしまして。でも……自分で取るのが難しいなら呼んでくれればいいのに……俺、すぐ近くにいただろ?」
「……」
「久世?」
隼人は首を傾げいるが、ツグミはどこか素直になりきれない。
「だ……大丈夫だから。迷惑かけたくないし……」
「ん?別に迷惑なんて……何か変だな?何かあったのか?」
「本……ありがとう。それじゃ……」
「おい?」
ツグミは早々に隼人の前から立ち去っていた。
鋭い彼の追及が怖くて……。
ちらりとよぎったのはつい先日のこと。
今日と同じように図書館で過ごしていた時だ。
今と同じように隼人は本を取ってあげているのを見た。
他の女の子に……。
女の子に頼まれて、本を取ってあげる隼人の姿。
それは何気ないただの親切心だとわかるが……ツグミの心が波打つ。
隼人が女の子といる姿を見て動揺して、嫌だと思ってしまった。
あんな風に頼るなんて出来ない。甘えるなんて出来ない。

この気持ちが何だかわかっている。
でも……まだ認めるのは怖かった。
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プロフィール
HN:
文月まこと
性別:
女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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