穏やかな時間。

ノルンノネット

暁人×七海　　　　６月のラヴコレで無料配布したものです。

「あーもう大人しくしてろっ」

「でも……私も手伝いたい」

「お前に任せてたら……変なものしか出来ねぇよ」

「む……これは身体に良いのに……」

七海が食事を作っていると、暁人が大きな声で叫んでいる。

七海が作ったものを見て、途端に嫌な顔をした。

薬草は調理には必須アイテムなのに……。

「大体何で急に……料理始めるんだ。俺が作るって言ったろ」

「いつも……暁人にさせているから……私もたまには暁人のために作りたかった」

「っ！！」

七海の言葉に、暁人は押し黙った。

うっすらとその表情は赤く見える。

「お前の気持ちは嬉しい。だけど……な」

「……？」

「お前は……食べる専門にしとけ」

「…………」

「何だ、その顔は。納得してないみたいだな」

暁人の指摘通り、七海は納得していない。

自分ではどこが悪いのかわからないから……。

困惑している七海に、暁人が優しく諭した。

「お前はずっと食べる専門にしとけ。これから先もな」

「……っ」

「？どうした？」

「これから先って……ずっと一緒にいてくれるってこと？」

「……あ、当たり前だろ」

「ほんと？」

「ああ……お前が望むなら……いつだって飯を作ってやるよ。お前のために……な」

「……うん」

七海の困惑していた気持ちが……今は嬉しさが勝る。

 

ずっと……暁人が隣にいてくれる。

穏やかな時間が……これからもずっと続いていくのだと……七海は幸せに思えた。

 

～fin～