荘介✕信乃 人様にプレゼントしたもの。
感じたのは、違和感。
ふと信乃が手探りで確かめると、そこにあるはずの温もりは無かった。
「……」
寝ていた信乃は、むくりと身体を起こしていた。
荘介がキッチンに居ると、不意に物音がした。
こんな深夜に……と荘介は音がした方を見る。
「あれ、信乃。どうしたんですか?」
荘介が見たのは、パジャマ姿の信乃だ。
今だったら、もう寝ている筈なのに……。
「荘こそ……何してんの?」
「さっきまで来客が来ていたので、片付けてるんですよ」
「ふーん」
「信乃は?」
「……別に」
「?」
信乃は近くにある椅子に座って、何やらジッとしている。
特に用があったわけではないのか?と、荘介が首を傾げる。
「信乃、そんな格好では冷えます。部屋に戻って下さい」
「……」
荘介の言葉に、信乃は動かず……椅子に腰掛けたまま。
どうやら戻る気はないらしい。
このままでは……身体を冷やして……体調を崩してしまうのに……。
どうして……信乃は……。
……。
……………。
「もしかして……俺を待ってる……とか?」
「っ!!」
ピクリと信乃の身体が反応している。
どうやら図星らしい。
「いったい、どうして……?俺もすぐに部屋に行くのに……」
「目が覚めたら……荘介いなかった」
「……」
寝ていて、目を覚ましたら自分がいなかった。
だから……自分を探しに来たのか……。
いないことで、信乃を不安にさせてしまったらしい。
荘介は苦笑しながらも、手元の片付けを終えた。
信乃の元へと向かい、その身体を抱き上げる。
「全く……風邪引きますよ」
「…………もう、平気だっての」
「はいはい」
信乃はやっぱり寂しがり屋で。
それは自分に対して向けられていると思うと、荘介としては怒れない。
むしろ喜びのほうが勝る。
ギュッと首元に抱きつく信乃に、荘介も安心する。
少しでも不安を拭えたらいい――。
この大切な……存在に。
~fin~
同人活動も行っています。