乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
アニメ最終回後。
「……あれ?」
「どうしました?信乃」
「……」
「信乃?」
――蒼の姿が……ない。
崩れた建物の残骸。
ボロボロの仲間たち。
ふと……その中で蒼の姿がなかった。
「……」
ずっと自分の名前を呼んでくれていたのは――荘介だけじゃない。
あの温もりもあの声も……確かに。
――蒼……のもの。
「信乃?」
「いや……何でもない」
まだ……聞きたい事も話したいことも沢山あった。
――どうして……。
信乃たちから離れた場所で、肩の上の紺が話しかけてくる。
「――いいんですか?ダンナ」
「何が?」
「あの子供……さらって来なくて」
「今はね」
信乃の身体を起こして、名前を呼んだ時……確かに信乃は口にしたのだ。
『そう……、……そうすけ』
あの時……信乃の名前を呼んだのは……確かに自分なのに……。
信乃の心は荘介でいっぱいだ。
わかっていても……やっぱりショックだ。
でも……それが信乃なのだと……どこかで納得している。
そして……だからこそ欲する。
その信乃の心を自分の方へと向けたくなる。
それが簡単には叶わない願いだと……わかっていても。
だから……今は。
「――信乃……」
願わずにはいられない。
「――ん?」
「どうしました?」
「――や、何か急に……」
呼ばれた気がして……。
けれど、振り返っても誰もいない。
「信乃?」
「……気のせいだ。何でもない。行こうぜ」
「はい」
隣には変わらず、荘介がいてくれる。
それだけで……十分だ。
信乃が笑いかければ、荘介が笑う。
それが何よりも嬉しい。
――君の笑顔を…‥取り戻せてよかった。
これからも‥…幸福でいてほしい。
今は……それだけを願う。
~fin~
この記事にコメントする
プロフィール
HN:
文月まこと
性別:
女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
同人活動も行っています。
pixiv
カテゴリー
リンク
カレンダー
カウンター
ブログ内検索