２人の日常。

荘介✕信乃

「信乃……？どうしたんです」

「べっつにー」

「別に、じゃないでしょう？」

「…………」

信乃は朝から荘介にべったりだ。

荘介が料理をする時にも選択をする時にも、信乃が傍にいる。

何をするでもなく、ただ荘介を見つめているだけ。

ただひたすらに、荘介をまっすぐに見つめていて……。

その視線に、荘介は少々戸惑う。


信乃は理由もなく、こんなことはしないからだ。

考えられることは……ただ一つ。


食器を洗い終えて、荘介はエプロンを外す。

信乃が待ち構えていたように、ぴくりと動き出す。

「荘、終わった？」

「ええ。終わりましたよ」

「じゃあ……いい？」

「どうぞ」

信乃は荘介の前に立ち、目的を果たした。

ギュッと荘介の腰へとしがみつく。

「満足ですか？、信乃」

「うん」

その言葉通り、信乃は満足そうに笑っている。

そんな信乃へと荘介も抱き返す。


「やれやれ。今日はどうしたんです？こんな風に甘えてくるなんて……」

「今日はそんな気分なんだよ」

「そうですか」

「もう少し付き合って？」

「はいはい」

荘介もまんざらでもない様子で、信乃が満足するまで付き合っていた。




～fin～