乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
恋人未満。
それはほんの偶然だった。
堂上が館内を警備していると、偶然にも郁の姿が見えた。
それも1人ではなく、男と一緒だった。
郁よりも少し身長があり、年上の男。
多分、利用者だというのが傍目で見てわかった。
何やら親しげに話している。
利用者と会話する内容は、大抵はレファレンスや館内案内だったりするのだが、相手は郁だ。
レファレンスは未だ未熟なところがある。
そして常に館内にいる訳ではないので、馴染みの利用者はそこまでいないはずだ。
特にあれくらいの、男は。
堂上はちらりと、部下へ仕事の心配と別の心配が頭に過ぎった。
しかし郁ならば大抵の男は、撃退は出来る。
けれど、その必要も見る限りではなさそうだ。
「気になるの?班長」
堂上の様子を観察していただろう小牧が、声をかけてきた。
何を、など言わなくてもわかる。
「別に、業務に支障をきたしてないか気になっただけだ」
「笠原さんだって立派な図書館員だよ。あれくらいは対処できないと困るでしょ」
「それはそうだが・・・」
「それとも他に気になる事でもあるの?」
小牧の示唆していることがわかって、堂上はグッと押し黙った。
「別に何もない」
その言葉は咄嗟の誤魔化しである事が、小牧には当然わかっている。
「どうしたんですか?」
いつの間にか話題の中心人物である郁が、2人の傍にいた。
「いや・・・、何も」
堂上はバツが悪そうに口ごもるが、小牧は大して動揺せずに話を続けた。
「笠原さんが利用者と話してるから、少し気になってたんだよ」
「ばっ・・・!!!」
さらりと言ってしまう小牧を、堂上は慌てた。
何で言うんだっと、内心では思うがもう後の祭りである。
「え・・と、何も失敗してないですよっ。少し声をかけられただけで」
意味が全くわかっていない郁は、素直に話した。
郁の話を聞き、堂上の気持ちは複雑なものになる。
何も言わない堂上に、小牧が更に話を続ける。
「それってレファレンスとか?それとも言い寄られた?」
「ち、違いますっ。以前、あの人の彼女さんがひったくりにあって、
その犯人を私が捕まえたから、代わりにお礼を言ってくださったんです」
「そうなのか?」
「はい、彼女さんから聞いてお礼を言いたくなったって」
笑って話す郁に、堂上は少し落胆した。
気を揉んでいた自分が少し馬鹿らしくなって。
そんな堂上の様子を、小牧が笑っている。
「そっか。それはよかったね」
「はいっっ!!」
笑顔で返事をした郁を見送り、再び堂上と小牧だけになる。
「班長、過保護すぎだよ」
「煩い」
堂上は自分でもわかっていることを言われ、その場を離れるしかなかった。
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文月まこと
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自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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