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乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
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野崎くんアニメ9話からの続きで書いてみました。






二人して傘を忘れて、結月から借りた傘で野崎の家まで来ていた。

千代は電車通学だが、野崎は徒歩通学。

必然的に、距離が近い野崎の家へと立ち寄った。


千代はそこで温かいお茶を御馳走になりながら、身体を休めていた。

「大分、小降りになってきたみたいだな」

「ほんと?」

野崎に言われて千代が窓の外を見ると、確かに学校にいた時よりも小降りになっているように思えた。

また、いつ強くなるかわからないから、帰れる時に帰った方がいいかもしれない。

「じゃあ、野崎くん。私今のうちに帰るね」

「ああ。その方がいいだろうな」

(本当はもうちょっと……いたかったんだけどな……)

仕事の時以外で野崎の家に来るのは限られていて、仕事中は集中しているためかあまり野崎を意識していない。

だから、今日は2人で過ごせた貴重な時間だった。

(でも、しょうがないか)

むしろ、一緒に帰れただけでもラッキーかもしれない。

同じ速度で隣を歩いて、それだけでドキドキした。

野崎は意識してないだろうけど、このわずかな時間だけでも満たされた。


玄関へ来て靴を履いていると、何故か野崎も靴を履いている。

「あれ?野崎くん、出かけるの?」

「いや……俺も駅まで行く。今日は駅まで送っていくよ」

「え?どうして?」

「佐倉も家まで送ってくれたからな」

「でも、野崎くん……せっかく家に帰ってきたのに……」

一緒にいられるのは嬉しいが、野崎の負担になってしまうのが気にかかる。

「今日は……もっと話がしたいと思ったんだ、佐倉と」

「っ!!」

(そ……それって)

ひょっとしたら、野崎も自分を意識してくれているのだろうか?

そんな期待が浮かぶ。

「何でかはよくわからないが……佐倉が家まで送ってくれたお礼がしたいのかもな」

「そ……そっか」

(の……野崎くんだもんね)

野崎の言葉に少しだけがっかりしたものの、千代はすぐに思い直した。

「行こうか」

「う……うんっ」

野崎は自前の傘をさしていて、今度は相合傘ではない。


それでも並んで歩くだけで、この時間はとても幸せに思えた。



~fin~




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プロフィール
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文月まこと
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女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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