君の色。

千代ちゃんでまたもリボンネタ（笑）。のざちよ。

野崎の家で原稿の合間、不意に御子柴に言われた。

「佐倉って、何でそのリボンなんだ？前から？」

「え？」

千代はちらりと野崎を見る。

野崎は別の作業をしていて、こちらの会話は聞こえてないらしい。

「最初は白だったんだけど……ちょっと色々あって、今のになったの」

「ふーん。それで水玉」

「そう！！目立つかと思って……少しでも野崎くんの視界に入ればなーって」

白から変更した色は赤と白の水玉。

あの入学式から髪型は変えていないから、より目立つ色を……と思ったんだけど……。

「だけど、最近はこのリボンしか目に入らないみたいで……」

「き、気を落とすなよ」

落ち込む千代に、御子柴も話をふっただけに気まずい。

「どうしたんだ？」

変な空気になった２人に気づいた野崎が、話に入ってくる。

「野崎っ！！ちょっと、佐倉のリボンについて……な」

「佐倉のリボン？」

「た……たまには違う色とか変えてみたらどうかって話を……」

「……違う色？」

ジッと野崎が千代を見つめて、考えこんでいる。

「別に今のままでいいんじゃないか？佐倉によく似合ってるし」

「ほんとっ？」

野崎の言葉に反応した千代が、わかりやすく野崎を見つめる。

「ああ。元気な佐倉によく似合ってると思う」

「あ……ありがとう。野崎くん」

「………」

（何か俺居づらい……）


何気ない２人のやりとりに、御子柴はとても居心地が悪かった。






～fin～