特別な想い。

Twitterでの診断で【貴方はのざちよで【 特別な想い 】をお題にして140字SSを書いてください。 】　とありまして、ツイートでは途中まででしたが、そこからちょっと繋げてみました。

最初は目で追うのが精一杯。

声もかけれなかった。

それでもその姿さえ見られれば十分だった。

でも今は、声もかけれて話も出来て、隣に並ぶことが出来る。

友達としてだけど……それでも傍にいたい。

日ごとにその想いが強くなって、好きって気持ちが溢れる。

こんな想いは――野崎くんにしか思わない。



漫画を描いている大きな手が好き。

その手は時々、私の頭を撫でてくれる。

野崎くんの手は、ペンだこが出来ていて……それは彼が漫画を必死に描いている証拠だ。

野崎くんの手に触れられると――その努力の証が伝わってきて、心から尊敬した。

だから――ふと、作業している彼の手を見てしまう。


そんな私の視線に気づいたのか、野崎くんが私に視線を向けた。

「どうした？佐倉」

「何でもないよ」

手に見惚れてたとは言えず、私は笑顔で誤魔化す。

そんな私に野崎くんも笑う。

「佐倉はいつも笑顔だから、見てるこっちもホッとする」

「そうかな？」

「ああ」


だって、野崎くんが傍にいるから、それだけで笑顔になっちゃう。

幸せだって思えるから……。

そんな想いを抱くのは……野崎くんだけ。





～fin～