乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
今回の54号のラストの衝撃で、勢いで書きました。初の堀鹿。未読の方はネタバレに注意して下さい。
学校での肝試しの帰り、堀は鹿島と肝試し延長線と称して、とっておきの話を聞かせてやった。
話とはいえ、真実味が増すようにとその話し方にも熱が入る。
まるで、実際に起きたかのように鹿島の恐怖心を煽った。
その結果がこれだ……。
「ああ……じゃあなー」
ひとしきり笑って、かけていた電話を切る。
「さて……」
持っていたスマホをしまい、堀は重みを感じる左腕を見つめた。
「鹿島……いつまでそうしてるつもりだ?」
「だ……だって……」
鹿島は自分の腕にしっかりとしがみついていて、そこから離れない。
掴んでいる手は、震えているように感じた。
(本気でビビらせすぎたか?)
「おーい」
「……」
冗談ではなく、鹿島は本気で怖がっている。
(何か調子狂うな)
いつもの明るくてふざけた鹿島の姿ばかり見ているからつい忘れがちだが、鹿島も女だ。
本気で怖がる姿は新鮮で、その姿は……何か可愛く思ってしまう。
しばらくこのままでもいいかと思うが……いつまでもこうしてる訳にもいかない。
「鹿島」
「え……?」
鹿島が顔を上げると、すぐ近くには堀の顔が見えた。
「堀先輩……?」
――――ゴンッ!!!
「い……たっっ!!!!」
強い衝撃を受けて、鹿島は頭を抱えて座り込んだ。
「もう……何するんですか。痛いですよぉ……」
「お前のせいだろうが」
「へ?」
鹿島は訳がわからず、首を傾げる。
その表情はいつもと変わらないようにも見えた。
その事に安心したのは、他ならぬ自分だ。
「ほら、さっさと帰るぞ」
「あ、待ってくださいよーーー」
歩き出した堀の後を、鹿島は足早に追いかけていた。
~fin~
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文月まこと
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乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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