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乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
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内容的にファンブックのQ&Aでのことがちらりと含まれています。未読の方、ご注意下さい。
のざちよ 堀ちよ というより のざ←ちよ←堀 な形です







「堀先輩っっ。見てもらえますか?」

「どれ…?」

千代は書いた紙を堀へと渡す。

堀はその紙を見て、自分の持っているペンで添削した。

「佐倉……ここが少し曲がってるから、もう少し真っ直ぐに書いてみてくれ」

「はいっ」

千代は言われるがまま、堀の修正通りに直していく。

野崎の家でのアシスタントの休憩時間。

千代は堀から背景の書き方を教わっていた。

堀が出す独自の課題を千代がこなしていく。

だが、背景は自分が思っていたよりも奥が深い。

見たままを写すのは得意だが、新たに描き加えるのはどうにも難しい。

建物の角度や、人物と建物の比率。

自分がよく知っている学校の風景ですら、描くのは容易ではない。

それでも、上達したい一心でペンを走らせ、描き上げた。

「出来ましたっっ」

「よし、ちゃんと修正出来てる。よくやったな」

「はいっっ」

堀に褒めてもらえ、千代も満足そうに笑みが零れた。




千代が帰ったあと、野崎は気になること口にした。

「佐倉はどうして……あんなに必死で背景の練習をしてるんでしょう?」

「お前……」

どうしてかなんて、明白だ。

それをどうして、肝心の野崎がわからないのだろう?

「そうか!!佐倉は背景を極めたいんですね!!」

「…………何でそうなる」

野崎の言葉に、堀はがっくりとした。

千代の頑張りの意味が、少しも伝わっていないことに……。


千代は野崎の手助けのために、自分から背景を習っている。

全ては野崎のために……千代は努力する。

それなのに……少しも伝わってないとは……。

あれだけ必死に取り組んでいるというのに……。

その必死さを間近で見てきて、ある想いが芽生えてきた。


あの真っ直ぐな想いを……向けられている野崎が羨ましいなんて……。


そんな風に思っているなんて、野崎も千代も全く気づいてないだろう。



「……後悔しても遅いからな」

「はい?」

「別に」


全く伝わらない野崎が千代の想いに気づくのが先か、それとも千代の感心を自分に向けるのが先か……。



どちらにしろ、まだまだ時間がかかりそうだと思っていた。




~fin~
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プロフィール
HN:
文月まこと
性別:
女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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