乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
堀鹿
「……今日も泊まりだ」
「わーお疲れさまです」
ふと、千代ちゃんと堀先輩のやりとりを見て、胸がざわつく。
何故かあの2人には、自分が入りこめない時がある。
そんな中で、堀先輩が私に気づいた。
「鹿島っ、明日の練習は遅れるなよ」
「……」
「聞いてるのか?鹿島っ」
「先輩……あの」
――さっき千代ちゃんと何を話してたんですか?
「何だよ?」
「いえ、何でもないです」
知るのが怖くて、口に出来なかった。
千代ちゃんは可愛い。
小さくていつも笑顔で、ほんと【女の子】を地で行く子だ。
自分とは正反対の女の子。
千代ちゃんは私にも普通に接してくれる貴重な子。
そんな千代ちゃんが私も大好きだ。
けど……それでも胸がざわつく。
堀先輩と並ぶとその身長差も自然だ。
自分とは大違い。
大好きな千代ちゃんが羨ましくて……ずるいって思う。
堀先輩と一緒にいないで……って。
いやだ……何でこんな風に思うんだろう?
こんな……酷い感情。
「……ま」
「っ!!」
「おい、鹿島」
「え?堀先輩?」
目の前……少し下に堀先輩が見えた。
今日は部活がないから、さっき別れたはずなのに……。
どうしてここに?
「さっきから呼んでるのに……返事しろよ」
「え……あ、すみません……どうしたんですか?先輩」
「どうしたってそれはこっちの台詞だろ」
「え……?」
「お前こそ、いつもと違うけど……何かあったのか?」
「え……何で?」
さっき作った顔は完璧だったはずなのに……。
そんな私の考えを見透かしてか堀先輩は……。
「お前が作った顔くらいわかるに決まってんだろ。いつも見てんだから……」
「……っ」
先輩はずるい。
気にしてわざわざ追いかけてくれて……気にしてくれて。
堀先輩にそんな事を言われたら……さっきまでの酷い感情は消えて、嬉しくなる。
自分でも単純だとは思うけど、堀先輩の言葉はやっぱりすごい。
そんな堀先輩が……。
「堀先輩っ」
「何だ?」
「私は堀先輩の、一番の可愛い後輩ですからねっっ。誰にも譲りませんっっ」
「はぁ?」
首を傾げる先輩に私は上機嫌で笑っていた。
「まあ……いつもの笑顔だからいいか」
~fin~
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プロフィール
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文月まこと
性別:
女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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