忍者ブログ
乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
2024/05月
≪04月  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  06月≫
[495] [494] [493] [492] [491] [490] [489] [488] [487] [486] [485
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


堀鹿





「……今日も泊まりだ」

「わーお疲れさまです」

ふと、千代ちゃんと堀先輩のやりとりを見て、胸がざわつく。

何故かあの2人には、自分が入りこめない時がある。

そんな中で、堀先輩が私に気づいた。

「鹿島っ、明日の練習は遅れるなよ」

「……」

「聞いてるのか?鹿島っ」

「先輩……あの」

――さっき千代ちゃんと何を話してたんですか?

「何だよ?」

「いえ、何でもないです」

知るのが怖くて、口に出来なかった。





千代ちゃんは可愛い。

小さくていつも笑顔で、ほんと【女の子】を地で行く子だ。

自分とは正反対の女の子。

千代ちゃんは私にも普通に接してくれる貴重な子。

そんな千代ちゃんが私も大好きだ。


けど……それでも胸がざわつく。

堀先輩と並ぶとその身長差も自然だ。


自分とは大違い。

大好きな千代ちゃんが羨ましくて……ずるいって思う。

堀先輩と一緒にいないで……って。

いやだ……何でこんな風に思うんだろう?

こんな……酷い感情。




「……ま」

「っ!!」

「おい、鹿島」

「え?堀先輩?」

目の前……少し下に堀先輩が見えた。

今日は部活がないから、さっき別れたはずなのに……。

どうしてここに?

「さっきから呼んでるのに……返事しろよ」

「え……あ、すみません……どうしたんですか?先輩」

「どうしたってそれはこっちの台詞だろ」

「え……?」

「お前こそ、いつもと違うけど……何かあったのか?」

「え……何で?」

さっき作った顔は完璧だったはずなのに……。

そんな私の考えを見透かしてか堀先輩は……。

「お前が作った顔くらいわかるに決まってんだろ。いつも見てんだから……」

「……っ」

先輩はずるい。

気にしてわざわざ追いかけてくれて……気にしてくれて。

堀先輩にそんな事を言われたら……さっきまでの酷い感情は消えて、嬉しくなる。

自分でも単純だとは思うけど、堀先輩の言葉はやっぱりすごい。

そんな堀先輩が……。

「堀先輩っ」

「何だ?」

「私は堀先輩の、一番の可愛い後輩ですからねっっ。誰にも譲りませんっっ」

「はぁ?」


首を傾げる先輩に私は上機嫌で笑っていた。



「まあ……いつもの笑顔だからいいか」







~fin~



PR
この記事にコメントする
name
title
color
mail
URL
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (チェックを入れると管理人だけに表示できます)

Powered by Ninja Blog    template by Temp* factory    phot by Abundant Shine    icon by cherish

忍者ブログ [PR]

プロフィール
HN:
文月まこと
性別:
女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
pixiv
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
カウンター
ブログ内検索