乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
「バカップルな二人のお題」より
ある朝の出来事。
アシュヴィンが遠方へと仕事のために、出かけることになった。
そのため、千尋は見送りをしていた。
「アシュヴィン、もう出かけるの?」
「ああ。2~3日は留守になる」
「そっか……」
「何だ。そんなに俺がいなくなると寂しいのか」
「!!」
ストレートなアシュヴィンの言葉に、千尋は顔を紅くして俯く。
「……馬鹿」
「お前な。こういう時くらい、素直に言ったらどうだ」
それが千尋なのだから仕方ないと、アシュヴィンは分かっているが。
そんな所もアシュヴィンにとっては、可愛らしくて仕方がなかった。
「俺はお前に会えなくなるのは、寂しいんだが?」
「―――っ」
明らかにアシュヴィンは楽しそうだ。
それが悔しい反面、アシュヴィンの言葉は嬉しい。
そして、それもまた悔しい…。
千尋はアシュヴィンの服の裾を掴み、アシュヴィンを見上げた。
「私……も」
「ん?」
「私も寂しいから、早く帰ってきてね」
「!!」
素直な千尋の言葉に、アシュヴィンは不意をつかれた。
「でもっ、無理しちゃダメだから。それとっ」
千尋の次の言葉を塞ぐように、アシュヴィンの腕が千尋を抱きしめる。
「―――っ」
間もなくその唇は塞がれていた。
「んぅ……。っ……ぁ」
途中に千尋の甘い声が漏れるが、すぐには解放されない。
アシュヴィンの口付けは深く、息継ぎすら許されない。
「……ぁ。ふぅ…」
「おっと」
力が抜けた千尋をアシュヴィンが支える。
「いきなり……こんな」
「お前が素直に可愛い事を言うからな……。それと栄養補給」
「え?」
「暫く会えないんだから、これくらいいいだろう。俺としてはまだ足りないくらいだが?」
「!!!」
「だが、俺の奥方は恥ずかしいみたいだしな」
「あ、当たり前でしょ!!」
顔を紅くして怒る千尋に対して、アシュヴィンは余裕のまま笑っている。
「でも……もっと」
「もっと何だ?」
「もっと、抱きしめてほしい……かも」
恥じらいながら言う千尋にアシュヴィンは……。
「…………わかった」
先程以上に強い力で、千尋を抱きしめる。
「俺はやっぱり、お前には勝てないみたいだな」
「?……何が?」
「いや、お前は知らなくていい」
千尋の行動一つに、振り回されている自分がいる。
その行動に気持ちが大きく揺さぶられる。
それを千尋は無意識にやってのける。
「それじゃ、行ってくる」
「いってらっしゃい」
そこには離れ難そうにしている、夫婦の姿があった。
~fin~
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プロフィール
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文月まこと
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女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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