君は僕の宝物。

荘介×信乃。　　アニメ１２話「代償」を見て。見てない方は注意してください。

信乃が目を覚まして、開口一番に告げたこと。

「あー、元に戻ってるっ」

「どうやら……一時的だったようですね」

「ちぇ……」

信乃がひと時だけ。１８歳の本来の姿に戻った。

長い髪に伸びた背、長い手足。

整った顔立ち。

青年にしか見えなかった。


だが……力を使い果たすと……信乃は元の１３歳に戻っていた。

それはまるで……琥珀を送り出すために…………だったのかもしれない。



荘介は元に戻ってしまった信乃に……内心落胆していた。

信乃を元に戻す……手がかりが見つかったかもしれないと思ったのに……。

その手がかりを失ってしまったのだ。


だからといって、諦める事はしないが……。


「帰りますか、信乃」

「う……ん」

信乃はまだ眠そうにしていて、身体も少し辛そうだ。

無理もない。

前の日は瀕死だったのだから……。


「そ、荘？」

「この方が早いですよ」

慣れた手つきで、荘介は信乃を抱き上げて歩き出す。

信乃の背中を撫でて、荘介は穏やかな口調で告げる。

「……大丈夫です」

「ん……」

信乃は荘介の首にしがみついて、肩に顔を埋めていた。


今日のことは……信乃はずっと忘れない。


そして、心を痛めて泣いている。


せめて……隣にいて……その痛みを和らげたい。

これ以上……傷ついて…泣いてほしくない。



信乃には笑っていてほしい。


荘介は自分が抱えている大事な宝物に……そう願わずにはいられなかった。




～fin～