忍者ブログ
乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
2025/04月
≪03月  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  05月≫
[397] [396] [395] [394] [393] [392] [391] [390] [389] [388] [387
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

5月のスパコミで無料配布した代物です。四白視点の荘信です。







――犬塚家で飼われて、早十年以上。

年齢はもう数えるのを忘れましたが、名前は『四白』と言います。

どちらかと言えば、年寄りに入りますが……まだまだ若犬には負けませんよ。

毛の艶もいいですし、ね。

動きもいいですし、主も手入れをしてくれています。

最近の心配はそろそろ夏が近いので、ノミが増えることでしょうか?

この時期を思うと、憂鬱になりますねぇ。

ああ、そんな私の悩みは置いておいて。

現在は訳あって、主の幼なじみの犬川荘介という人物と身体を半分共有しています。

その仕組みはちょっと秘密ですが、今は深く考えないでください。

身体を貸していますが、実質の主導権は荘介に渡してあります。

私はどちらかと言えば、傍観者……いえ傍観犬ですね。

私は犬なので、彼とは話せませんが彼の想いは敏感に感じ取ってます。

今日はそんな彼と……彼の大事な人とのやり取りでも見てみましょうか?




荘介は状況によって本来の人の姿であったり、私の姿であったりします。

その方が色々と都合が良いようですね。

荘介が人の姿でも傍観できるので、こちらとしては楽しいですが……。

そんな荘介は人の姿で……ある人物を探しているみたいです。

その相手は……もちろん。

「信乃、ここにいましたか?」

「あ、荘介」

荘介の目線の先には、小柄な少年。

私の現在の主でもある犬塚信乃がいます。

信乃は部屋のベッドで寝っ転がってますね。

本来は彼の父が私の主なんですが、彼はもうこの世にはいないので信乃が現在の主です。

彼の父と同様に……信乃と荘介の成長を見てきたので、最早2人は私の子供みたいなものですが……。




「何かあったの?」

「ええ。パンケーキが出来たので、呼びに来たんです」

「パンケーキ!!食べるっ」

「だったら……起きて手を洗ってください」

「うん、わかったっ」

信乃は瞳を輝かせて、ベッドから飛び降りています。

ああ、荘介の心がわずかにですが乱れてますね。

信乃の笑顔に、荘介も嬉しさを感じているのが伝わってきます。

荘介は昔っから信乃には甘かったですが、更に甘くなったようにも思えます。




沢山のパンケーキを前にして、信乃はキラキラと満面の笑みを向けています。

もうああなると、他の事には目が入らなくなってますね。

信乃は勢いよくパンケーキを食べ始めています。

そんな信乃を見て、荘介は……。

「ほら、信乃。そんなに慌てると……詰まらせますよ」

「平気だって……ぐっ」

「だから言ったでしょう。これ、飲んでください」

案の定、詰まらせてしまう信乃に荘介が飲み物を差し出します。

信乃はそれを受け取って、口の中の物を流しこんで落ち着いたようです。

やれやれ。

「はぁ……、やばかった」

「信乃、食べる時はよく噛んでください」

「はいはい」

「信乃っ」

「わかったよ。母親じゃないんだから……」

「………」

―――荘介、苛立ってます。

口に出さない辺りは彼は大人ですが、荘介は時々信乃に対して小言を言っていますね。

甘くもあり厳しくするのが、荘介の方針のようです。

「ほら……口元についてますよ」

「わ……、荘介」

「甘い……ですね」

「だからって、口で舐めなくてもいいだろっ!!」

「つい……ね」

「荘介っ」

「はいはい。冷めますから食べてくださいっ」

「う……うん」




…………。

最近2人はこんな感じです。

信乃が何かをする度に、荘介が信乃を甘やかしています。

どうやら、荘介は信乃が可愛くて仕方がないようです。

信乃も荘介に触れられて、真っ赤にしていますし……。

どうやら2人の仲はますます深まってます。



荘介が信乃に抱く感情は……前から知っていました。

彼を切なく見つめ、内に様々想いを秘めている事も。

信乃に対する恋情はもちろん。

憎しみ・悲しみも。

あとは彼を切望しすぎて……狂おしいほどの気持ちも抱えていたことも。



だから、信乃と上手くいってホッとしています。

親心としては複雑ですね。

何か大事な子供を取られちゃったような……。

娘を嫁に出したような気分です。

いえ、厳密には娘でもないし、信乃は子供じゃないし……、ましてや私は犬なんですが……ようは気持ちです。

……と、話が大分それましたね。





パンケーキを食べ終えたら、何やら2人は出かける事にしたみたいですね。

ああ……教会に行くんですか。

教会でお世話になることが決まって、2人……いえ特に荘介は慌ただしい日々を送っているようですね。

教会の手伝いをしたり、教会の建物の修繕をしたり、忙しく遣われています。

彼は何でも出来るんですが、何でも引き受けてしまうのが困りものですね。

だって……。

「今日も教会で修繕?」

「ええ。屋根の方と……少し中も片付けないと……」

「ふうん」

信乃はそんな荘介に少しご不満。

だって、荘介に相手をしてもらえないですからね。

荘介も甘やかしてますが、信乃も甘えてます。


時々相手してあげないとむくれますよ、荘介。

それをわかってるのか、わかっていないのか……私でもわからない時があります、困ったものですね。

「信乃?」

「……別に、そんな毎日行かなくてもいいじゃん」

「一応、里見さんに言われてますからね。ちゃんと仕事は果たさないと……」

「……」

「今日は信乃はどうします?」

「……一緒に行く」

「はい、わかりました」

むくれながらもついてくる信乃に、荘介はご満悦。

何だかんだ言っても、荘介と一緒にいたいようです。

微笑ましいですね。



2人が並ぶと身長差がわかります。

荘介は本当に成長しましたが……信乃は……。

いえ……この辺の話をすると湿っぽくなりますので、止めておきましょう。





教会に着くと、何やら来客でしょうか……。

こちらに気づきましたが……

「あ、犬川さん。こんにちは」

おや、最近良く教会に来る女性ですね。

お祈りでしょうか?

何やら……荘介に包みを渡しています。

「これ……差し入れなんです。良かったらどうぞ」

「ありがとうございます……子供たちも喜ぶと思いますよ」

「…………」

…………あ―――。

どうやらこの女性は、荘介に心を寄せているようですね。

荘介が笑顔で対応している横で、信乃が面白くなさそうにしていて……。

ああ……これはまずいですね。

結構信乃は心が狭いし、独占欲が強いんです。

荘介……、わかってます?



「…………」

女性が去った後も、信乃はまだむくれてますね。

掃除をする荘介に対して、椅子に座りながら信乃は微妙な顔をしていて……。

そんな信乃のわかりやすい変化に、気づかない荘介ではないです。

一旦掃除を中断して、荘介は信乃へと近づいていきます。

「信乃?」

「何?」

「妬いてるんですか?」

「そ……んなわけ……」

荘介に指摘されて、ウッと反応してしまう信乃。

その表情から、図星だとわかりますね。

そんな信乃を抱き寄せて、荘介が顔を近づけて……。

……。

…………。

………………すみません、説明しにくいです。

そして……見続けにくいというか……。



信乃は真っ赤にしていて、荘介を軽く睨んでいます。

荘介はそんな信乃の顔も可愛いと思っているのが、伝わってきます。

「荘介はずるい……」

「そうですか?」

「そうやって、すぐ機嫌取ろうとする……」

「そんなつもりはないんですけどね」

「荘介の……馬鹿」

「はいはい」

荘介がすごい喜んでいるようですね。

荘介の心の中は信乃でいっぱいになっているのが、こちらでは感じ取れます。

信乃も恥じらいながらも嬉しそうで……、すごい居づらいです。





「荘介、古那屋に行こうぜ」

「今日もですか?」

「だって、飯美味いもん」

「あんまり里見さんの負担をかけたくないんですけどね……」

そうは言っても、荘介は了承するところが甘い……。

結局は信乃の喜ぶ顔が見たいから、OKしてしまうようで……ふう。


古那屋へと行くと、信乃の表情がいきなり強張って……?ああ、成る程……。

「げ、現八」

「信乃、来たのか」

「ちょ……」

信乃に抱きつこうとしているのは、犬飼現八さんです。

憲兵隊隊長という肩書きを持っているのですが、彼は何故か信乃へと好意をよせているようで……。

「…………こんにちは、現八さん」

…………。

荘介、微妙にわかりにくいですが……苛立ってますね。

表面に出さないから……伝っていないけど……。

2人のやり取りを見て、心穏やかではないようです。

信乃よりも独占欲が強いのは……荘介かもしれないですね。

「近づくなって……。荘、助けて」

未だに繰り広げられる攻防から逃れるように、信乃は荘介の背中へとしがみついてます。

荘介は現八さんと信乃の間に挟まれていて……。

「何で、いつも荘介ばかり……俺にだって懐いてくれてもいいだろ!!」

「嫌だっ……。俺は荘介がいいんだっっ!!」

「…………」

あ、心が弾んでますね……荘介、わかりやすいです。

「兄貴、いい加減にしろ」

仲裁に入ったのは、現八さんとは乳兄弟で古那屋の息子さんの犬田小文吾さん。

毎度行われるこのやり取りを、いつも止めてくれます。

「信乃、荘介。すぐに飯用意するから待ってろ……。兄貴はこっちだ」

「何するんだ、小文吾」

「いいからっ、ババアが呼んでるんだよ」

「…………」

ずるずると現八さんを連れて行く姿は慣れていて、さすが小文吾さん。

「行きますか」

「そうだな」

この2人にとっては、毎回の事ですから……今更動じませんね。

さて、古那屋のご飯は美味しいからとても楽しみですっ。




屋敷へと戻ってくると、信乃がベッドへとすぐに横になってます。

「何か……疲れたな」

「そうですね……」

荘介からもわずかに疲れを感じます。

あの後、やっぱり現八さんが乱入して一騒動ありました。

小文吾さんも今頃……疲れているんじゃないでしょうか?


信乃と荘介は帝都に来てから……多くの人と関わり合うようになって……多くの感情を感じているようです。

喜びも悲しみも……2人には様々な想いを感じ取っている。

特に信乃の周りはトラブルが多いから、荘介の心配もつきなくて……見てるこちらもハラハラします。



でも……知ってます。

2人は2人で一緒にいる……この時間をとても大切にしている事を……。



荘介がベッドへと腰掛けると信乃がその背中に身体を預けていて……。

「荘……」

「どうしました?」

「ん……ちょっと疲れたけど……こうしていると……安心するんだ」

「そうですか?」

「ん……」

「お疲れ様です……信乃」

ポンと頭を撫でると、信乃が気持ちよさそうに……はにかんでいて……。

あ、この空気……。

「信乃……」

「荘介……」

影が重なる2人に……またも説明しづらいというか……。

親としては複雑です……いえ、犬なんですけど……。




「荘……苦しいって」

「そうですか?そろそろ慣れてもいいと思うんですけど……」

「だって……そんな余裕ない……。ドキドキしっぱなしなんだよ」

「それは俺もですけど……」

「嘘だっ、いつも余裕じゃん」

「余裕に見せてるだけです」

「……………」

「全く信じてないようですね」

「だって……荘介上手な気がする……」

「器用なんです」

「……」

「だったらもっと……慣れさせてあげましょうか」

「ん…………」

ボスっとベッドが揺れる音が聞こえて……。











…………ああ、もうこれ以上は見ていられないですね。

今日はこれくらいにしておきましょうか?

我が子供たちに……幸あれ……。




~fin~

PR
この記事にコメントする
name
title
color
mail
URL
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (チェックを入れると管理人だけに表示できます)

Powered by Ninja Blog    template by Temp* factory    phot by Abundant Shine    icon by cherish

忍者ブログ [PR]

プロフィール
HN:
文月まこと
性別:
女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
pixiv
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
カウンター
ブログ内検索