乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
荘介✕信乃
それはある夜の事。
教会に引き取られて…まだ間もなかった頃の話。
自分の部屋で寝る準備をしていた荘介が、いち早くそれに気づいた。
部屋の外の物音に。
それが誰かなんて、見なくてもわかる。
「――信乃?何してるんです?」
「そ……荘?」
扉を開けると、信乃が部屋の前で座り込んでいた。
その顔は驚きのまま、固まっている。
「何でわかったんだ?」
「わかりますよ、毎日来れば……」
そう、信乃はこの部屋に毎日のように来る。
その目的はただ1つだけ……。
「一緒に寝ようぜ」
「信乃……。そろそろ1人で寝れるでしょう……」
「……いいじゃん、別にっ」
止める間もなく、信乃は荘介の部屋のベッドへと飛び込んでいた。
その光景に、荘介はため息が漏れる。
この状態から信乃を部屋から出すのは不可能だ。
毎日許してしまう自分も自分なのだが……。
さすがに……困る。
今まで深くは聞かなかったが……そろそろ原因が知りたいところだ。
「信乃……どうして毎日部屋に来るんですか?」
「んーー」
「信乃?」
「荘介の温もりがあると……よく眠れるんだ」
「…………」
その表情は何かに怯えているようで……荘介は思わず黙りこむ。
(無理もないか……)
大塚村での事があってからまだ、日も浅い。
父親も村の人間も故郷も無くてしまった。
まだ……気持ちが追いついていない。
1人では不安になってしまうのだと――。
「……仕方ありませんね」
「いいの?」
「ええ。これからは……いつでも来ていいですから……」
結局は信乃の望む通りにしてしまう。
でも……根底では自分も何かに縋りたかったのかもしれない。
それは……信乃もだろうか…?
一緒のベッドで互いの温もりを感じながら……眠りにつく。
いや……眠っているのは信乃だけだ。
その安らかな寝顔に、荘介は戸惑う。
「全く……人の気も知らないで……」
信乃への気持ちを自覚しているこっちは……一緒に寝ることは辛いのに……。
けれど……それが信乃の望みなら……叶えてやりたいと思う。
「信乃……」
荘介は信乃の額へとそっと口づける。
今はまだ……これが精一杯。
荘介は信乃の寝顔を長い間見つめながら……静かに眠りについていた。
~fin~
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文月まこと
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自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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