乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
回は荘介と蒼が一緒で、多重人格の設定だったら……というものになります。現代パロのようなものですので、苦手な方はご注意下さいーー。荘信設定ですっ。もし気に入っていただければ、続く……かも?
――困ったことがある。
それは……恋人が2人もいるから……だ。
「信乃。また食べこぼしてますよ」
「うー」
そう言って信乃のの口元を拭いてくれるのは、荘介。
世話焼きで甘やかしてくれる。
「しーの」
「くっつくなっての」
「いいじゃん、別に」
こちらの言い分も聞かず、抱きついてくるのは、蒼。
2人は同じ顔で……信乃へと触れる。
彼ら2人で……1人だ。
いつからだったかは覚えていない。
昔から幼なじみとして一緒にいた荘介に……、新たな蒼という人格が生まれたのは……。
『夜』になると蒼が現れる。
その現れる条件は、太陽が見えなくなった『夜』という時間のみだ。
逆に……太陽が現れる『朝』『昼』は……荘介だ。
荘介として一緒にいた信乃は、蒼の存在に戸惑いしかない。
顔も声も一緒なのに、性格が違うとここまで違うものかと思う。
荘介とは穏やかな時間を過ごせるのに、蒼は……。
「信乃、どうしました?」
「ん、別に?」
「何か疲れてるようにも見えますけど……」
「平気だって……荘介っ」
荘介は自分の膝へと信乃の頭を乗せる。
「少し休んでください」
「…………」
「信乃?」
「……別に」
どこまでも甘い荘介。
だけど……どこか物足りなくて……。
もっと触れて欲しいのに、荘介はいつも踏みとどまる。
でも……今の関係も心地良くて……。
自分たちは同じ所で立ち止まったままだ。
太陽が沈めば、その甘い時間は終わる。
「いい加減、俺にも甘えてほしいけど?」
「やめろって……」
ソファーに座っていれば、その距離は近すぎる。
そして……自分の肩や顔へと触れてくる。
荘介と同じ匂い……なのに、どこか違う。
別人に触れられているような……そんな感覚に陥る。
「信乃…」
「やめろっ……」
蒼はその身体の重心を信乃へと向けると、その反動で信乃の身体が倒れこむ。
その流れのまま、信乃の身体はソファーへと沈み込んでいく。
服を捲られて、蒼の手が信乃の下腹部へと触れた。
その手の動きに、信乃は甘い声をあげるしかなかった。
蒼の手に翻弄されて、信乃はされるがままだ。
頭のどこかで……、蒼と荘介がかぶった。
ようやく……信乃は自分の意志で声が出せるようになっていたものの、身体はまだ上手く自由にならない。
「ね、今日こそ……抱いていい?いつも信乃が泣いて嫌がるから……」
「……やだって……それだけは……ダメだ」
「何で?……俺だって荘介なんだよ?」
「だって……」
望むのは……荘介だけだ。
「俺に触れていいのは……荘介だけなんだ」
「…………」
「……お前じゃない」
信乃の言葉に蒼はジッと自分を見下ろす。
その顔は何故か笑っていた。
「――いいこと教えてあげようか、信乃」
「?」
「俺が生まれたのは……信乃のせいなんだ」
「え……?」
「俺がこうして……信乃に触れるのも……抱きたいって思っているのも…………全て荘介の意思」
「荘介の……?」
「信乃への欲情から……俺は生まれた」
「…………っ」
驚く信乃に対して、蒼は静かに語りかける。
「信乃は純粋に荘介へと想いを向けてくれるけど、荘介はそうじゃない。いつだって、その身に信乃への熱い想いが秘められている」
「…………」
「本当はその肌に触れたくて、抱きたくて仕方がなかったんだよ。荘介は……。でも……信乃はそんな風に思っていないから……だから想いを閉じ込める」
「…………」
「閉じ込めるけど、湧き上がる想いは止まらなくて……それでも閉じ込めて……飢えて仕方なかった……だから……それを俺の人格を作ることで逃げ道を作った」
蒼の言葉は信乃の中に入っていく。
その言葉は……真実なのだとわかる。
「それが……俺の存在理由」
「お前の……?」
――蒼の存在、理由。
――荘介は思いつめて……苦しんでた?
だから……蒼が生まれた?
「でも……俺だって、俺の意思がある」
「…………蒼?」
「だから……『俺』も信乃が好きだよ」
「っ……」
近づいてくる蒼の顔に信乃は……。
「だったら……尚更っ」
「って……!!」
「俺を受け止めるのは、荘介だけだ!!」
信乃は思い切りその足を振り上げて、蒼のみぞおちにあてていた。
「俺は……やっぱり荘介が好きなんだよっ」
信乃はソファーから下りて、その場から抜け出して部屋を出て行く。
1人残された蒼は、ソファーでため息をついた。
「あーあ、振られちゃった」
始めからわかっていたことだけど……。
「強引にいけば……上手くいくと思ったんだけど……な」
弱みにつけこめば、信乃は拒まないと思った。
だが……結局信乃は荘介の想いを貫いていた。
「ま、それでこそ俺『たち』の信乃だ」
手に入らないからこそ……焦がれる。
そして……惹かれてやまない存在だった。
――翌日。
「荘介っ!!」
「信乃……っうわっ!!」
信乃は勢いのまま、荘介をベッドへと押し倒していた。
「いたた……何ですか?」
「荘介……」
「どうしたんです?」
何かを感じ取ったのか、荘介が心配そうにこちらへと視線を向けている。
(……やっぱり)
信乃は荘介の顔を見て、心がギュッと締め付けられるようだった。
「俺……荘介が好きだ」
「信乃?」
「だから……もう抱え込むな」
「し……の」
驚く荘介に信乃がその唇を塞ぐ。
そして……そのまま荘介へと身を任せた。
荘介と信乃は……晴れて、真の恋人同士になれた……。
――と、思っていたのに。
「何だって、お前がまた現れるんだよ!!」
「別に俺は諦める気はないし……」
「はぁ?だって……俺は」
「今は、荘介が好きでも、これからはわからないだろ?」
「………」
ここまで前向きだとある意味感心する。
がっくりとしていた信乃に、蒼が満面の笑みを見せた。
「長期戦で行くからさ。覚悟しててっ」
「冗談じゃない!!!!」
まだまだ……信乃の受難の日々は続きそうだ。
~fin~
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プロフィール
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文月まこと
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女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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