乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
蒼→信乃 ですが信乃はほとんど出て来ません
――雨。
決して……小降りではない雨の中、動けずにいた。
「…………」
「……ダンナ。そろそろ……」
「…………」
無言のままでいる蒼に、紺はため息を吐いた。
こうなると、てこでも動かない。
それは紺も身にしみてよくわかっていた。
蒼の視線の先にはあの信乃という子供と、蒼と同じ顔をした荘介。
二人は雨宿りをしていて、その姿は仲睦まじい。
そんな光景を蒼は何度も見ている。
そして、その隣で紺も何度も見ていた。
「………………信乃、笑ってる」
「…………」
「……………」
蒼の表情は穏やかで、紺は何と言ったらいいのか……迷う。
「…………」
「いいんですか?ダンナ。このままで……」
「今はね……。あの笑顔に……俺にはまだ……することが出来ない」
「…………」
「信乃には隣にいて欲しいけど、笑顔はあのままでいてほしいんだ」
――今は……荘介が隣にいたとしても。
「だから……俺は自分のすべきことをして……信乃を迎えに行く」
今はまだ、荘介には及ばない。
力も足りなくて……信乃の心に自分はいない。
でも……信乃への想いは止められなくて……。
だから……今は。
その笑顔を見つめることを……許して欲しい。
何よりも……大切な笑顔だから……。
~fin~
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プロフィール
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文月まこと
性別:
女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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