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乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
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Collar×Malice 笹塚 尊× 星野市香 (尊市)



「これは嫌がらせのつもりか、バカ猫」
「……」
市香は答えない――が目を泳がせている辺り、自分でも自覚はあるらしい。
市香から貰った差し入れのドーナツ。
ドーナツは問題ないのだが、問題はその中身。
箱の半分は抹茶味のドーナツだった。
あれだけ苦手だと公言しているのにも関わらず、市香はこれを選んだ。
そのことに怒りを感じるものの、市香がこうした行動に出た原因は察しがつく。
(その反撃がこれか)
全部を抹茶味にしないだけマシなのかもしれない。
本人も悪いと感じているようだ……表情は暗いが。
「……」
「そんなに怒ることか。少し出前とかコンビニ弁当が続いたくらいで」
「……怒りますよ、もう」
原因は恐らくこれだ。
市香に言われてはいるが今のところ食生活は直すつもりはない。
ここ最近、市香と会う時間が作れなかったから、余計にそれが続いてしまい、
たまたまそのゴミなどを見られて、市香と喧嘩になってしまった。
喧嘩別れから数日ぶりに家に来た市香は……差し入れを持参してきたのだが……まだ怒りはとけていなかったらしい。
「作業効率を上げるためだって言ってるだろう。ここんとこ忙しかったんだよ」
「わかってます……でも……心配なんです」
「……」
市香の行動は自分にも原因があるから、怒れない。
自分の体調を心配してくれている恋人を……怒れるわけがない。
「お前が心配してるのはわかってるから機嫌直せ。今度からはもう少し気をつける」
俺の言葉にこちらの様子を窺いながら、市香が頭を下げてくる。
「笹塚さん……ごめんなさい」
しおらしく謝られれば、その頭を軽く撫でていた。
「抹茶のはお前が責任もって食えよ」
「うう……はい」
抹茶味ドーナツの数を見て市香は落ち込んでいる。
どうやら体重を気にしているらしい。
こうなるのは予想がつくだろうに、どうしてこう考えが浅いのだろう。
市香は観念してその抹茶味のドーナツを口にしていた。
俺もその隣に座って、別の味のドーナツを食べ始める。

そうして過ごしている中――。
「――市香」
「はい?」
「今日は久しぶりに泊まっていけ」
「っ……」
この間は喧嘩別れだし、その前は全然会うことが出来なかった。
おかげで全く触れていないのも事実。
だから、もう帰すつもりもなかったのだが……。
「だ、ダメですっ」
「は?」
勢いよく首を振る市香にこっちも引くことは出来ない。
抱き寄せて、唇に触れようとしたらその手で止められた。
「笹塚さんっ」
「何だよ?」
「だ……だって、今……沢山食べちゃったし」
「それが?今更だろ。何度も身体見てるし」
「っっ!!そ、それに抹茶味のを食べたばかり……だし。その……キスとかも……」
「あー」
市香の言葉の意味がわかり、確かに納得した。
それは市香なりの配慮かもしれない――が。
「そんなことで止めれるか」
「――んっ……」
唇を重なれば……すぐに何度も求める。
ほんのり抹茶の味をしたが……今はもうそんなことはどうでも良かった。

今はもう……久しぶりに触れる彼女のことしか考えられないのだから……。
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プロフィール
HN:
文月まこと
性別:
女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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