乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
夫婦。
「郁・・・。風呂でたぞ」
堂上が風呂から上がると、郁がいる筈の居間に声をかける。
だが、その声はなく静かだった。
「?」
不思議に思った堂上は、その場所へと向かった。
「・・・・・・全く」
堂上は郁のその状態を見て、納得した。
「・・・・すーっ・・」
郁は横になっており、熟睡していた。
そしてその顔は気持ちよさそうで。
「お前はすぐにどこでも寝るな」
食事を済ませたあとだったこともあり、眠くなってしまったのだろう。
郁が気持ちよくなるとすぐに寝てしまうのは、今に始まった事ではない。
仕事の休憩中でも、何度か目撃した事がある程だ。
「疲れてるんだろうな」
仕事と家の事。
いくら分担しているとはいえ、疲労は蓄積される。
たとえ本人が気づいていなくても。
「仕方ない・・・」
そう言って堂上は、郁の身体を抱き上げた。
郁が起きている状態なら、きっと喚くだろうが今は夢の中。
腕の中の妻は、幸せそうな顔で眠っている。
「ん・・・」
一瞬起きたかと思ったが、郁は甘えるように堂上に擦り寄ってくる。
普段からこうして甘えてくる事はないので、堂上としては意外だ。
「猫か・・・お前」
普段は犬のような活発さで行動するくせに、今は猫のように甘えてくる。
いつもこうして甘えればいいのにと、堂上は考える。
郁自身はそれなりに甘えているだろうが、時々遠慮する事がある。
堂上はそれが腑に落ちなかったが、初心な郁には色々と難しい。
「よっと・・・」
堂上は郁を寝室のベッドへと下ろした。
だが・・・。
「んーーっ」
「おい・・・」
郁はその温もりを逃がさないように、しっかりと堂上の手を掴んでいた。
これが無意識だから困る。
堂上は眠る郁の額にそっと口づけた。
「おやすみ・・・」
堂上の声が聞こえたのか、郁がそっと微笑んだ気がした。
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文月まこと
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自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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