乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
望美が源氏だと知った将臣は・・。
「源氏の神子か」
将臣はさっきまでの出来事を未だに受け入れられなかった。
「お前が源氏の神子!?」
「将臣くんが還内府・・」
敵だと、倒すべき相手だと思っていた人物は・・。
自分が最も大切にしていた人だった。
「俺はあいつを殺す気だったのか」
将臣は自分の手を見つめる。
その手はさっきまで武器を持っていた。
敵を倒すための道具。
対峙した時に感じたのは、生と死の戦い・。
互いに本気だった。
本気でやらなければ、負けると思った。
「今まで何のために戦ってきたんだかな」
早く平家が逃げ延びて、平和が訪れれば・・。
望美とともにいられると思った。
今度こそ。本当に。
自分の想いを告げて、側にいさせて欲しかった。
「もう・・・一緒にはいられないのか」
自分が平家でいる限り・・。
望美が源氏にいる限り・・・・。
ならば・・・。
「か・・・還内府殿。どちらへ」
「俺は・・・平家をやめる」
「そんな・・・」
「あなたがいないと平家は!!!」
「悪い」
将臣は経正たちが止めるのもわかっていたが、それでもここにはいられない。
こうして平家を去ったとしても、多分解決はしない・・。
ただ、逃げているだけ・・・。
「どうするかな・・」
平家を出た自分には他に居場所がない。
望美は源氏にいる。
当然そこには行ける筈が無かった。
自分は還内府だから・・・。
将臣は特にあてもなく、ある村へと辿り着く。
以前望美たちと立ち寄った村だ。
あの時は野盗に襲われた村を救う事が出来なかった。
「お兄ちゃん・・・?」
「よう」
そこにいたのは、この村に初めて来た時に出会った子供。
「どうしたの?」
「あれから心配でな。ちょっと様子を見にきたんだ。元気だったか?」
「うん。今お手伝いしてるの」
褒めて、と言わんばかりに様子で話しかけてくる。
「えらいな」
「へへ。あれ、お姉ちゃんはいないの?」
「お姉ちゃん?」
「お兄ちゃんと一緒に戦ってたお姉ちゃんだよ」
子供が言うのは、明らかに望美の事だった。
「悪ぃな。今日は俺1人なんだ」
「そっか・・。残念」
「あと、誰か大人を呼んできてくれるか」
「うん。いいよ」
そう言うと子供は家の中へと入っていく。
「何とかなってるんだな」
家は野盗に燃やされた部分はところどころ壊れていた。
だが、人によって修復されつつある。
そして畑も必死に耕している。
生きていくために・・。
「俺も手伝うか」
将臣もまた、村へと入っていく・・。
そして将臣は・・・。
ただずっと待っている・・・。
大切な人を・・。
~fin~
PR
この記事にコメントする
プロフィール
HN:
文月まこと
性別:
女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
同人活動も行っています。
pixiv
カテゴリー
リンク
カレンダー
カウンター
ブログ内検索