乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
いまだ望美と再会していない将臣は・・・。
あの時に・・伝えたかった・・。
「どうした?還内府殿」
「いや・・何でもねぇよ」
返事をしない将臣に不審に思ったのだろう、仕えていた兵士が問いかけてくる。
そんな将臣に対して・・。
「重盛兄上は何を想いふけっているのか・・興味深いな」
「知盛・・・。その呼び方はやめろ」
「この戦前で忙しい時に、考えているのは『女』・・か」
「・・・・・ちげぇよ」
「まあいい。俺は戦が楽しめればそれでいいからな。頼むぜ、還内府殿」
そう言うと、知盛は将臣の側から離れた。
「全くアイツは・・・」
変に知盛は鋭いから困る。
戦前に想うのは大切に想う人、望美だ。
甘い想いよりも後悔の想いのほうが強い気がする・・・。
「あの時に伝えていればよかったな・・」
側にいた頃に・・・。
それが当たり前だった頃に・・・・。
今はもう会う事すら叶わない。
1人異世界に来てから3年。
望美と弟の譲の生死すらわからない。
本当は3年前のクリスマスに告白をするはずだった。
大分前に望美が好きそうな懐中時計を見つけて・・・。
それを渡すとともに、想いを告げるつもりだった。
その懐中時計も今は・・・・ない。
「これは罰なのか・・」
弟の気持ちもわかっていた。
だが、それを無視して気持ちを告げようとした自分への・・・・。
会えない日々に気が狂うかと思った。
そしてこれからもまだ・・続いていく・・・。
「例え・・、会えても今の俺じゃ・・何も言えないか」
昔とは違う・・・。
何もかもが・・・。
そんな自分が伝えられる想いなど・・・ない。
しばらくして、兵士が近づいてくる・・。
「還内府殿、時間です」
「今行く」いまだ望美と再会していない将臣は・・・。
今はもう、自分の名を呼ぶものはいない・・・。
その名を呼ばれる時はきっと・・・愛しい人と再会する時だから・・。
PR
この記事にコメントする
プロフィール
HN:
文月まこと
性別:
女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
同人活動も行っています。
pixiv
カテゴリー
リンク
カレンダー
カウンター
ブログ内検索