乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
ED後。アシュヴィンよりも早く起きた千尋は…。
「ん……?」
千尋は差し込んできた光に、目を覚ました。
徐々に覚醒し、今が朝だということを認識する。
千尋が寝返りを打つと、思わず声を上げそうになった。
「あ……」
千尋は何とか手で口を塞ぎ、声を堪えた。
目の前にいるのは、自分の夫であるアシュヴィンだった。
その瞳は堅く閉じられ、深く眠っている。
(う……、動けない)
千尋はそんなアシュヴィンにしっかり手を握られ、もう片方の手で抱き寄せられている。
わずかな隙間もない密着状態だ。
これでは無理に起きようとすると、アシュヴィンを起こしてしまう。
常に忙しいアシュヴィンのわずかな休息を、妨げたくなかった。
それに…。
(もう少し……、このままでいいかな)
少しでもアシュヴィンと過ごした気持ちが、千尋には勝った。
千尋はここぞとばかり、アシュヴィンを観察する。
(アシュヴィンって、整った顔をしてるな……。寝てても何か…)
千尋はアシュヴィンを見て、見惚れてしまっていた。
その事に気がついて、千尋は慌てる。
そして視線は、自分の手に行き着いた。
アシュヴィンによって、しっかりと握られた手。
その手はとても大きく、千尋を包み込む。
(アシュヴィンの手って、大きくて綺麗だな)
普段は手袋をしていて見えないが、その手は傷がなく綺麗に思えた。
それは自分だけに見せてくれる。
その手に自分の手を握られると、千尋自身も包まれているような気がした。
千尋は、そんな考えに思わず笑う。
(何か、ずっとアシュヴィンの事しか考えてないかも……)
アシュヴィンを見ているだけで、自然と湧き上がってくるものがある。
それは顔であっても、手であっても。
他の部分でもきっと一緒なんだろう…。
「…何笑ってるんだ……?」
「あ…。起きた?」
アシュヴィンはようやく目を覚まし、笑う千尋に首を傾げる。
「何かやたらと…。お前の視線が感じた気がした」
「そうかな…。気のせいじゃない?」
千尋は恥ずかしさから、思わず誤魔化してしまう。
「まあいい。目が覚めた時にお前の笑顔が見れるのは、存外悪くない」
「ふふっ…。おはよう、アシュヴィン」
「おはよう……、千尋」
2人は自然と唇を重ねる。
それは今では、当たり前になりつつある。
唇が離れると、自然と千尋は繋いでいる手を握り締めた。
「何かね…。アシュヴィンの手…、綺麗だなぁって思って」
「何だ、急に」
唐突すぎる千尋に、アシュヴィンは不思議そうに見ている。
「大きくて傷一つなくて、綺麗って思ってたの」
「それなら…」
「?」
アシュヴィンは繋いで手を自分の唇に寄せて、そっと口付けた。
「あ……、アシュヴィンッ」
「俺はお前の小さくて白い綺麗な手が、好きだ」
あっさりと言ってしまうアシュヴィンに、千尋は顔を紅くした。
「もう…!!」
「お前が最初に言ったんだろうが…」
恥ずかしくて千尋は、思わず口を尖らせる。
「だったら…、どうすれば機嫌を直すんだ?」
「……まだ、手を繋いでて…?」
「了解…」
合わさった手から温もりが、広がっていた。
『好き』という気持ちと合わせて……。
~fin~
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プロフィール
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文月まこと
性別:
女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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