乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
ED後。千尋は久しぶりの休日を過ごすことに。
太陽の位置が大分高い場所になった頃。
千尋はぼんやりと椅子に座って、窓から外の景色を眺めていた。
「今日はお休みか……」
普段は慌しい業務に追われているが、アシュヴィンに身体を休めるように言われてしまった。
『お前は少し働きすぎだ。明日一日くらいは休め』
そう言われて渋々了承したものの、身体は休息を求めていた。
おかげで身体は十分に休めたが、今度は時間を持て余していた。
普段はこうして、景色を眺めることなどない。
穏やかな景色と温かな日差しが、千尋にとって心地よい。
そしてその合間に風が吹くので、眠気を誘った。
(ちょっと……、眠いかも)
こんな場所で寝てはいけないと思いつつ、誘惑に負けそうだった。
(少しくらいだったらいいかな?)
そう思った瞬間、ゆっくり目蓋が閉じた。
常世に来てから、穏やかにすごせる日は数少ない。
いつも仕事に追われ、慌しく過ごして終わる。
それが必要だから、苦だと思ったことはないけれど。
やっぱり、1人よりも2人のほうが嬉しい。
一緒に寝ていて、隣にいる温もりとか優しく語りかけてくれたりとか。
こうして、頭を撫でてくれたりとか。
(え!!!!)
感触がリアルだったので、千尋は思わず目を開けた。
「起きたのか?もう少し寝ててもいいぞ」
「あ……アシュヴィン……」
何故アシュヴィンが、自分を見下ろしているのだろう?
それより、何よりも。
「嘘。私、そんなに寝てたっっ」
アシュヴィンがここにいるということは、もう日が暮れたのだろうか…?
「いや、まだ夕方よりも早いが?」
「え……と?」
アシュヴィンの言葉に、千尋はいまいち頷けない。
徐々に覚醒してくると、千尋は寝台で横になっていた。
先ほどの記憶だと、確かに窓にいたはずなのに。
アシュヴィンが気づいて、移動させたらしい。
「どうしているかと思って、様子を見にきたんだが……」
アシュヴィンは面白そうに、千尋を見つめている。
それに応じて、恥ずかしくなってくる。
「少しだけのつもりだったのに……」
「たまにはいいだろう。そういう日があっても」
「アシュヴィン、仕事は?」
まだ、一日が終わっていないならば、仕事もあるはずではないのか?
そう思って、アシュヴィンに問いかける。
「今日は早めに切り上げろって言われてな。リブがお前が1人でいるからって」
リブの優しさに千尋は嬉しくなる。
「気をつかってくれたのね」
「まぁな。そのおかげで、珍しいものが見れた」
「もう!!」
今までずっと、自分の寝顔を見ていたのだと思うと、やっぱり恥ずかしい。
「さて、どうする?」
「え?」
「もう少し寝るか?それとも起きるか?」
「アシュヴィンはどうしたいの?」
「そうだな……。たまには横になるか。千尋を見てると眠くなってきた」
「起きて、膝を貸そうか?」
「それでは、千尋が休めないだろう。隣で寝ればいい」
「……いいのかな」
皇と后が並んで眠っていても。
「何かあれば、リブが起こしに来るから平気だ」
頭ではわかっていても、一緒に眠るということがとても魅力的に感じる。
「でも……」
「何だ?」
「あんまり寝顔を見ないで……ね」
「別に隠すものでもないだろ?」
「恥ずかしいの!!」
「わかった、わかった」
アシュヴィンは苦笑しつつ、千尋に並んで横になっていた。
アシュヴィンが千尋の髪に触れてくると、再び千尋に睡魔が襲ってくる。
「おやすみなさい」
「ああ」
千尋はゆっくりと目を閉じていた。
~fin~
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プロフィール
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文月まこと
性別:
女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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