乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
ED後。眠そうな千尋にアシュヴィンは…。
それは夜も更けてきた頃。
「千尋?眠いのか」
「ん……。少しだけ……、でもだい……じょうぶ」
「どこがだ。今日はもう休んだほうがいい」
千尋は必死で目を開けようとするが、身体は正直だ。
千尋はすでに眠そうに船を漕いでいる。
あと少しすれば、完全に寝入ってしまうだろう。
そんな千尋に苦笑しながらも、アシュヴィンは千尋に語りかける。
「ほら……。さっさと寝とけ」
「やーー。もうちょっと起きてるーーー」
「お前な……」
睡魔と戦う千尋は可愛かったが、無理をしても身体には毒だ。
「アシュヴィンは……、まだ寝ないんでしょ?」
「ああ。ちょっとこの書類だけな」
アシュヴィンは仕事が少し残っており、その様子を千尋はじっと見つめていた。
それは、自分だけが先に休むのが申し訳ないとも思っているのか。
それとも別に理由があるのか。
だが、どんな理由でも千尋に無理をさせる必要はない。
「いいから先に寝とけ。身体を壊すぞ。俺はいいから……」
「だって……もう少し……」
「もう少し?」
千尋は眠気と戦いながらも、何とかそれを口にする。
「もう少し……アシュヴィンと……一緒にいたい……から」
「…………」
千尋の言葉にアシュヴィンは、一瞬我を忘れた。
自然と口が綻ぶ。
(本当に……こいつは……)
千尋は無意識にアシュヴィンを喜ばせる。
本人は全くわかっていないので、性質が悪い。
だが嬉しい反面、千尋を寝かさなくては……。
「仕方ないな」
「アシュヴィン……?」
アシュヴィンは立ち上がり、椅子に座っていた千尋の身体を抱き上げた。
「ひゃ……。ちょ……と!!」
アシュヴィンが数歩歩くと、目的の寝台に到着した。
ゆっくりと千尋の身体が、その場所へと下ろされる。
「も……アシュヴィン!!」
「お前が眠るまで、一緒に寝てやるから」
そう言うと、アシュヴィンも千尋に並んで横になる。
千尋は横になった途端に、更に睡魔が襲ってきた。
段々と、瞼が閉じてくる。
その様子を見ると既に、限界なのだろう。
「ん……。アシュ……ヴィン」
「お休み、千尋」
そっと千尋の唇に口づけを落とす。
アシュヴィンの優しい声と口づけが、千尋を眠りと誘っていく。
「すーーっ」
しばらくして、千尋から寝息が聞こえてくる。
その表情はとても柔らかだった。
「いい夢を」
アシュヴィンは、千尋を静かに見つめていた。
~fin~
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プロフィール
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文月まこと
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女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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