忍者ブログ
乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
2024/05月
≪04月  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  06月≫
[71] [70] [69] [68] [67] [66] [65] [64] [63] [62] [61
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

5~6章の間。




何の因果か・・・、アシュヴィンたち一部の常世軍は、中つ国と行動を共にすることになった。

真の敵を見据え、二ノ姫の言葉で天鳥船に乗ることになっていた。

追っ手を撒き、夜が更けた頃。

アシュヴィンは船の散策をしていた。

いくら共にいるとはいえ、ほんの数時間前までは敵だった者。

万が一に備え、船を調べていた。

(ん・・・ここは庭か)

そこは堅庭と聞いた気がする。

船の中に庭があるというのは、一体どういう仕組みなのか。

そしてよく見ると、そこには誰がいた。

(二ノ姫か)

戦場で短くなってしまった髪だが、金色は夜でも目立つ。

だが、その様子はどこかおかしい。

(…何だ?)

千尋はじっとその場で立ち尽くし、一方の景色を見つめている。

(・・・泣いてるのか?)

その瞳から、雫が流れ落ちるのが見えた。

小さな肩を震わせ、1人で泣いている。

(兵士たちの死を悼んでるのか・・・)

アシュヴィンはその事に、自分の胸も痛んだ。

助けたかった命を助けれず、犠牲が出た。

だが、それは戦では感情を表に出してはいけない。

――どんなに辛くても。

そんな現実をあの少女は、1人で耐えている。

叶うならば、その身体を抱きしめて涙を拭いたい。

だが・・・。

「千尋」

「・・・風早」

静寂を破ったのは、自分ではない1人の男。

姫はその男に身を寄せて、泣きじゃくっている。

「・・・っ」

アシュヴィンは、自分の手を思わず握り締めていた。

やりきれない想いを、そこに表すように。

(・・・俺は何を考えている・・・)

アシュヴィンはすぐにその場から離れていた。

想いを胸に秘めながら。








~fin~




PR
この記事にコメントする
name
title
color
mail
URL
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (チェックを入れると管理人だけに表示できます)
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:

Powered by Ninja Blog    template by Temp* factory    phot by Abundant Shine    icon by cherish

忍者ブログ [PR]

プロフィール
HN:
文月まこと
性別:
女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
pixiv
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
カウンター
ブログ内検索