忍者ブログ
乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
2024/05月
≪04月  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  06月≫
[73] [72] [71] [70] [69] [68] [67] [66] [65] [64] [63
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

バッドEDルート。アシュヴィンの想い。




浮かぶのは、泣き顔ばかり……。

自分が望んだのは、もっと別のものだった筈だった。

「殿下、大丈夫ですか?」

「リブ、何を言っている」

「いえ、姫を手放したことを後悔されてるのではないかと……」

「さあな」

リブの言葉は核心をついてくる。

それは核心に触れすぎて、時にはそっとして欲しいほどに。

「もう、あいつが常世にいる必要はない。それに、あいつがいる限りはまだ可能性が残る」

宮が兵に囲まれ、身動きが出来ない。

やがて兵糧も尽きて、皆衰弱し、死んでしまうだろう。

アシュヴィンはせめて、千尋だけでも逃がすことにした。

そしてそれに成功し、自分たちだけで戦いに挑む。

「無謀かもしれんが、時間稼ぎにでもなれればいい」

「殿下……」

「希望は捨てない。最後までは……」

アシュヴィンはじっと、窓の外を眺めている。

外の景色は暗く、あと数時間で夜が明けようとしていた。

「何が正しいかはわからん。だが、それでも思う道に進むさ」

そう口にするが、アシュヴィンの心には千尋が浮かぶ。

自分で手放したくせに、諦めたくせに。

「浮かぶのは、泣き顔だけだ」

千尋をずっと、泣かせることしか出来なかった。

笑顔なんて、殆ど見ていない。

「心残りはそれだけだ」

だから、せめて……。

千尋に託したこの世界で、幸せになって欲しい……。

自分の命をに引き換えにでも……。







~fin~

PR
この記事にコメントする
name
title
color
mail
URL
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (チェックを入れると管理人だけに表示できます)
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:

Powered by Ninja Blog    template by Temp* factory    phot by Abundant Shine    icon by cherish

忍者ブログ [PR]

プロフィール
HN:
文月まこと
性別:
女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
pixiv
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
カウンター
ブログ内検索