乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
バッドEDルート。アシュヴィンの想い。
浮かぶのは、泣き顔ばかり……。
自分が望んだのは、もっと別のものだった筈だった。
「殿下、大丈夫ですか?」
「リブ、何を言っている」
「いえ、姫を手放したことを後悔されてるのではないかと……」
「さあな」
リブの言葉は核心をついてくる。
それは核心に触れすぎて、時にはそっとして欲しいほどに。
「もう、あいつが常世にいる必要はない。それに、あいつがいる限りはまだ可能性が残る」
宮が兵に囲まれ、身動きが出来ない。
やがて兵糧も尽きて、皆衰弱し、死んでしまうだろう。
アシュヴィンはせめて、千尋だけでも逃がすことにした。
そしてそれに成功し、自分たちだけで戦いに挑む。
「無謀かもしれんが、時間稼ぎにでもなれればいい」
「殿下……」
「希望は捨てない。最後までは……」
アシュヴィンはじっと、窓の外を眺めている。
外の景色は暗く、あと数時間で夜が明けようとしていた。
「何が正しいかはわからん。だが、それでも思う道に進むさ」
そう口にするが、アシュヴィンの心には千尋が浮かぶ。
自分で手放したくせに、諦めたくせに。
「浮かぶのは、泣き顔だけだ」
千尋をずっと、泣かせることしか出来なかった。
笑顔なんて、殆ど見ていない。
「心残りはそれだけだ」
だから、せめて……。
千尋に託したこの世界で、幸せになって欲しい……。
自分の命をに引き換えにでも……。
~fin~
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文月まこと
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女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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