乙女ゲーム・八犬伝などの二次創作のごった煮ブログです。
恋人同士。
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たった5cm。
そう簡単に言うけれど。
時々それが辛くて堪らない。
(あっ)
特殊部隊の事務室へ行く途中、郁はふと足を止めてしまった。
その視線の先には、堂上。
そしてその隣には、見知らぬ館員の女の子。
恐らく業務部の誰かだろう。
郁が気になったのは、2人で並んでいる姿だった。
その女の子は堂上よりも、背が低い。
標準的な女の子だ。
身長差がとてもバランスよく、似合っている。
堂上よりも背が高い自分とでは、大違いだ。
時々郁は170もある身長が、嫌になる。
戦闘職種では武器にはなるが、女としては複雑だ。
あと少し身長が低ければよかった。
そんな事を郁は考えてしまう。
今まで身長が原因で振られる事は多く、少しコンプレックスになっている。
だから堂上と並んでも違和感のない女の子が、とても羨ましくなる。
「ーーー郁?」
「え・・・あ、堂上教官!!」
ぼんやりと考えていると、堂上に声をかけられた。
「どうした?こんなところで立ち止まって。さっきから散々呼んだんだが」
「す・・・すみませんっ」
様子のおかしい郁に、堂上は疑問に思ったらしい。
「何かあったのか?」
「いえ・・・何も」
元々郁は嘘が得意ではない。
何かあったのは、堂上にはバレバレだった。
「ちょっと来い」
「え?堂上教官っ」
そんな様子の郁を放って置く訳にはいかず、堂上は人気のないところへと連れて行く。
「で、何があった?」
「べ・・・別に何も・・・・」
「嘘付け。そんな悲しそうな表情をしてるくせに。騙せると思うな」
「・・・・・」
その堂上の言葉に、郁は言葉を詰まらせる。
堂上は、いつも敏感に郁の異変を察知する。
それが嬉しくもあり、辛くもあった。
「・・・怒らないですか?」
「ああ。言ってみろ」
「さっき、堂上教官と並んでいる女の子を見たんです。その子は背が低くて教官ともお似合いだなぁって。
私もあと10cm低かったらなって思ってました」
「・・・・・」
身長の話は堂上にとってタブーなのに、何でこんな話をしているのだろう?
これでは怒られても呆れられても、仕方がない。
「馬鹿が」
「え・・・・?」
郁が言葉を発する前に、堂上は郁を抱きしめていた。
「身長なんて今更気にするな。お前の身長があってこそ、その脚があるんだしな。その脚のおかげで
事件の解決に大きく貢献している」
「教官・・・・」
「そんな風に行動できるお前が、部下としても恋人としても・・・好きだ」
「・・・・っ」
堂上は、郁が思っているコンプレックスをわかっている。
自分よりも背が高い事を、気にしないはずはない。
でも、堂上にとってはそれも郁の魅力であり、好きな部分だった。
「だからそんな事を気にする必要はない。その身長があってこそのお前だろう」
「堂上教官・・・」
郁は堂上に自然と身体を預ける。
「それに・・・」
「?」
「こうして見るお前も嫌いじゃない」
「!!」
堂上は郁の隙をついて、一瞬のうちに口付ける。
郁はその行為に驚きながらも、堂上が与えてくれる幸せに酔いしれていた。
恋人同士。
―――こういう場合はどうすればいいのだろうか?
自分が今まで尊敬していた上官と
今まで散々馬鹿にしてきた友人(不本意)が
付き合うことになっていた。
2人の関係がそういうことになっている事には、全く気がついてなく。
同僚の柴崎や小牧二正にはからかわれる始末。
そして、素直に祝福できない自分がいる。
何故、堂上二正ともあろう人が、笠原を?
そんな疑問がつきないのだ。
「馬鹿ねーー。あんた」
「何だ、あからさまに」
それとなく柴崎にあの2人の事を聞いてみると、途端に馬鹿にされた。
「あの2人は周囲からバレバレだったのよ。気づいていないのは、当の本人とあんただけよ」
「なっ!!」
手塚は驚きの表情を隠せない。
今まで全く気づいていなかったからだ。
それも同じ班である自分が、だ。
「笠原は笠原で、堂上教官しか見てなかったし。堂上教官も少し過保護だったから」
「そうなのか?」
「そうよー。色々と笠原に対して心配で仕方がないのよ」
「………心配なのは、笠原が単細胞だからだろう」
「それもあるけどね。けどそれでも、教官は笠原しか見てないのよ」
手塚は、柴崎の言葉が理解しがたかった。
そんな手塚の様子を見て、柴崎は……。
「そんなにわかんないなら、2人をじっくりと観察してみたらどう?」
「は?」
「お得意のその頭で、分析でもしてみなさい」
そう柴崎は言うと、その場から離れる。
「観察って……なぁ」
上官と同僚を…?
「そんなのは不謹慎だ」
そう思っていたのに……。
特殊部隊の事務室に戻ると、手塚の視線の先には、当の2人がいた。
特に変わった様子はなく、業務に勤しんでいる。
(別に普通だよな?)
「馬鹿者っ!!そこの書類はだな」
「ああっ!!すみませんっっ」
郁が失敗をして、笠原が怒られているのは珍しくない。
そんな2人は、付き合う前と変わっていないような気がする。
―――いや、気がしてた。
「すみませんっ。終わりました!!」
「そうか……。今度は大丈夫だな」
「へへへっ」
堂上は笠原の頭に手を置き、軽く撫でている。
笠原も、それに嬉しそうにしている。
「!!!」
堂上の笠原に対する視線は、明らかに熱っぽく。
どこか2人には甘い空気が出ていた。
(これか!!これのことか!!)
確かに以前とは違う。
周りに人がいるにも拘らず、2人は自然に甘い空気を作り出す。
(これが「付き合っている」ということか!!!)
手塚には、この空気は何だかいたたまれない。
一緒の部屋にいる小牧二正も、全く気にしていないし。
手塚は改めて気づいた真実に、がっくりうなだれる。
(これをこれから、毎日ずっと見るのか!!)
上官と友人の恋を。
がっくりと肩を落とす手塚のそばに、当の本人が近づいてくる。
「どうしたの?手塚」
「いや……ちょっとな」
落ち込む手塚とは対照的に、郁の顔は幸せで満ちている。
それは堂上も同じだ。
その事実に、手塚もようやく落ち着いた。
(まあ、応援してやろうじゃないか……。)
尊敬する上官と
単純馬鹿な友人の恋を。
「……変な手塚」
「煩い」
手塚から出たのは、そんな言葉だけだったが……。
恋人同士。
あいつは無鉄砲で、単純でそれにすぐ突っ走る。
その度に、心配で怒鳴らずにはいられない。
それが上官の時の評価だった。
けど、その反面。
郁はすごく純粋で素直だ。
そしてそんなところが…。
「笠原さんって、普段からもっと化粧とかしたら綺麗なんじゃない?」
「何だ、急に」
夜に寮内で小牧と飲んでいると、急にそんな話を振ってきた。
「いや、さ。率直な感想だよ。普段は戦闘職種だから仕方がないけど、館内業務だったら
もっとしてもいいんじゃないかと思ってさ」
「さあな。あいつは元々そういうのが得意じゃないからな」
堂上は自分と2人でいる時でも、そこまで華美にしない自然体な郁を思い出す。
「まあ、最近の笠原さんだったら、注目浴びそうだけどね」
「どういう意味だ」
「最近綺麗になったって、男どもからの評判だよ」
「…………」
小牧の話を聞いて、堂上は渋い顔になる。
堂上の耳にもその評判は聞いている。
周囲には堂上と郁が付き合っていることは知れているため、直接には何もないが、
遠くで懸想している者も少なからずいるはずだ。
その事は、当然堂上にとって面白くない。
「で、堂上としてはどうなの?」
「何がだ」
「もっと、笠原さんに化粧してほしいとか思わないの?」
小牧はからかい口調で言っているのが、堂上にはわかる。
それがますます、堂上にとっては面白くない。
それならばもう、開き直るだけだ。
「別に必要ないだろ」
「あれ?そうなの?」
「あいつは化粧なんかしなくても、十分可愛いしな」
郁の自然体な笑顔こそ、何より可愛くて愛しい。
それでこそ、自分が惚れている郁の部分だった。
「惚気だね。いかに堂上が彼女のことを好きかわかったよ」
「煩いっ」
開き直ったものの、小牧の言葉に堂上は強い口調で言葉を切る。
その表情は照れ隠しで紅潮している。
結局、小牧の言葉を上手くかわせず、からかわれる一方だった……。
恋人未満。
漫画版、バレンタイン。
ーーー真っ白になった。
今日はバレンタインだというのに、特定で渡す人が誰も思い浮かばない。
1人だけ、一瞬現れた気がするけど、すぐにそれは消えた。
そう、これは尊敬する上司だから。
だから日ごろの感謝を込めて渡すのは、全然変じゃない。
ーーーだけど。
「堂上君」
堂上教官を呼ぶ声が聞こえる。
その女性は、堂上教官にバレンタインを渡していた。
私は何故か、その光景を見ている事が出来なかった。
その事が頭から離れない。
その光景が繰り返されて、気になってしまう。
ーーー私はちゃんと渡せてない……のに。
そう思っていたけれど。
ーー全部、真っ白になった。
私の手から堂上教官がチョコを奪っていた。
その行動は、唐突で。
雪が降っているはずなのに、
触れた手と顔が熱い。
何も考えられない。
「今日はこれが初チョコだ、ボケ」
そう、堂上教官が言いながら、私のチョコを食べている。
例の女性のチョコは小牧教官に渡す物で、堂上教官が預かったらしい。
その言葉と行動に、ホッとしたのは何故だろう……?
雪は消えていくのに、私の心に何かが消えないものがあった。
~fin~
恋人未満
館内業務の中、ふと郁が周囲に目を向ける。
「今日はやっぱりいつもより人が少ないですね」
「ああ。外は雨だしな」
時期は梅雨時。
余程の本好きならともかく、わざわざ雨の中を歩いてまで図書館に来る者はやはり少ない。
いつもよりも静かで、人が閑散としているのが見えた。
「今日は館内はいつもより静かなんだから、大きな声を出すなよ」
「そんなに大きいですか……?普段……」
堂上の言葉に少しだけ、郁は落ち込んだ。
だが、次に聞こえてきたのは……。
「煩いだろ、お前」
「うーん、静かとは言えないかな」
容赦ない手塚と小牧の言葉だった。
それは郁にとって、追い討ちになった。
「利用者に注意しても、下手すりゃお前の方が大きかったりするぞ」
「確かに」
「……もう、酷いですよ」
少しだけ拗ね気味になった郁を見て、堂上が口を開いた。
「逆に静かだったら、心配になるけどな……。だから、そのままでいとけ」
「堂上教官……」
散々言われた後のこのフォローは、激しく不意打ちだった。
少しだけ、動揺して胸が高鳴った。
だが……。
「どうせ、すぐには直らん」
「ちょ……!!」
堂上の言葉は結局フォローではなくて、トドメだった。
(一瞬のときめきを返せーーーーーーーーっ)
郁は口に出せない言葉を、心の中で思い切り叫んでいた。
~fin~
恋人未満。
※シリアス
※シリアス
信じられない光景を見た。
「笠原っ!!」
堂上の声に反応せず、名前を呼ばれた者は反応しない。
その最中に良化隊の攻撃は、先ほどよりも増していく。
攻防が続く中、堂上は郁の元へと急いだ。
郁は凶弾に倒れたまま動かず、多量の血だけが流れていく。
わずかに息があることが、堂上にはわかった。
このままでは取り返しのつかないことになる。
堂上の中で、最悪のシナリオが駆け巡った。
そのシナリオを防ぐために、堂上は必死に近づいていく。
だが、追い討ちをかけるように、良化隊が郁に銃口を向ける。
「や、やめろぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーっ」
堂上は手を伸ばすが、そこには近づけない。
その時、引き金は引かれた。
最悪のシナリオが現実になった瞬間だった。
「ぁぁぁぁぁーーーー」
堂上はその場に崩れ落ちていた。
周りの音が遮断され、その世界は隔離された。
「笠原・・・っ。笠原っ」
堂上はその名を必死に繰り返す。
反応はないとわかっていた。
それでも・・・。
「教官っ」
「!!!」
名前を呼ばれて、顔を上げるとそこには・・・。
「堂上教官、大丈夫ですか?」
「な・・・何がだ?」
「何かすごいうなされてましたよ?悪い夢でも見たんですか?」
「ゆ・・・夢?」
堂上が辺りを見回すと、そこはいつもの特殊部隊の一室だ。
周りには郁以外いなかったが、それは普段通りの光景だった。
「教官・・。何か顔色が・・・ちょっとすみません」
郁の手が不意に堂上の額に触れる。
その手からは、温もりが伝わってくる。
これは・・・確かに生きている証。
堂上の心情が少なからず、落ち着いてくる。
(あれは・・・夢か)
だとしたら、かなり性質の悪い夢だ。
夢であることに安堵し、堂上は行くにはわからないように息を吐く。
「熱はないみたいですね」
郁の手が離れ、じっと考え込む。
「別に何でもない。ちょっと、夢見が悪かっただけだ」
「そうですか・・・。でも何かすごい辛そうでしたよ。一体どんな夢だったんですか?」
「・・・・・・・・・」
堂上の夢の内容など言える訳がない。
堂上はじっと郁を見つめ、それから・・・。
「お前が気にする事じゃない。それよりも仕事は終わったのか?」
「なっ・・・。心配したのにーーーっ。もう、これ日報です!!」
「ああ。お疲れ」
郁は日報を渡すと、寮へと帰宅していく。
そんな郁を見送り、堂上は深いため息をついた。
あり得ない未来ではない。
抗争が続けば、負傷をすることは覚悟の上だ。
それが重傷になろうと、死ぬことになろうとも・・・。
「そんなことには、させてたまるか」
堂上は拳を握り締めていた。
あの温もりを守るために・・・。
~fin~
恋人未満
仲間の一人が良化隊の攻撃に倒れた。
『笠原さんの俊足なら今のは当たらなかった』 そんな風に小牧が言う。
抗争中にふざけた事を。
そんな場合じゃないだろうが。
だが、倒れた仲間の身体を抱えた時、ふと過ぎった。
笠原の笑顔。
それは何故だかわからない。
わかりたくもない。
だが、小牧の言葉が少なからずも原因しているのは確かだ。
何とか仲間を救出し、その場に倒れこむ。
「『笠原さんだったらこんなに重たくなかったのに』…とか?」
またしても小牧が余計なことを言い放つ。
浮かんだのは階段から踏み外しそうになった笠原を、支えたこと。
それでも、口に出した言葉は。
「あいつの体重なんて俺が知るか」
小牧にはすべて見抜かれているようで、腹が立つ。
自分から遠ざけたくせに、いてほしいと思った。
笠原なら確かに足速いし、ここぞという時は躊躇しない。
自分の中での矛盾が明らかにある。
そして・・・。
「稲峰指令が不審者に拉致されたとのこと・・・!!笠原一士も一緒です」
自分の判断に激しく後悔した・・・。
恋人未満。
それはほんの偶然だった。
堂上が館内を警備していると、偶然にも郁の姿が見えた。
それも1人ではなく、男と一緒だった。
郁よりも少し身長があり、年上の男。
多分、利用者だというのが傍目で見てわかった。
何やら親しげに話している。
利用者と会話する内容は、大抵はレファレンスや館内案内だったりするのだが、相手は郁だ。
レファレンスは未だ未熟なところがある。
そして常に館内にいる訳ではないので、馴染みの利用者はそこまでいないはずだ。
特にあれくらいの、男は。
堂上はちらりと、部下へ仕事の心配と別の心配が頭に過ぎった。
しかし郁ならば大抵の男は、撃退は出来る。
けれど、その必要も見る限りではなさそうだ。
「気になるの?班長」
堂上の様子を観察していただろう小牧が、声をかけてきた。
何を、など言わなくてもわかる。
「別に、業務に支障をきたしてないか気になっただけだ」
「笠原さんだって立派な図書館員だよ。あれくらいは対処できないと困るでしょ」
「それはそうだが・・・」
「それとも他に気になる事でもあるの?」
小牧の示唆していることがわかって、堂上はグッと押し黙った。
「別に何もない」
その言葉は咄嗟の誤魔化しである事が、小牧には当然わかっている。
「どうしたんですか?」
いつの間にか話題の中心人物である郁が、2人の傍にいた。
「いや・・・、何も」
堂上はバツが悪そうに口ごもるが、小牧は大して動揺せずに話を続けた。
「笠原さんが利用者と話してるから、少し気になってたんだよ」
「ばっ・・・!!!」
さらりと言ってしまう小牧を、堂上は慌てた。
何で言うんだっと、内心では思うがもう後の祭りである。
「え・・と、何も失敗してないですよっ。少し声をかけられただけで」
意味が全くわかっていない郁は、素直に話した。
郁の話を聞き、堂上の気持ちは複雑なものになる。
何も言わない堂上に、小牧が更に話を続ける。
「それってレファレンスとか?それとも言い寄られた?」
「ち、違いますっ。以前、あの人の彼女さんがひったくりにあって、
その犯人を私が捕まえたから、代わりにお礼を言ってくださったんです」
「そうなのか?」
「はい、彼女さんから聞いてお礼を言いたくなったって」
笑って話す郁に、堂上は少し落胆した。
気を揉んでいた自分が少し馬鹿らしくなって。
そんな堂上の様子を、小牧が笑っている。
「そっか。それはよかったね」
「はいっっ!!」
笑顔で返事をした郁を見送り、再び堂上と小牧だけになる。
「班長、過保護すぎだよ」
「煩い」
堂上は自分でもわかっていることを言われ、その場を離れるしかなかった。
恋人未満。
漫画版13話。堂上サイド。
漫画版13話。堂上サイド。
小田原の抗争の作戦が伝えられた。
だがそこには、自分の部下の笠原は不参加だ。
「戦力にならない」
そう笠原に告げた。
手塚に言われた言葉も。
小牧に言われた言葉も。
自分が一番理解している。
それは「班長」としての判断ではなく、
明らかに「個人」での感情だ。
笠原の家の事情もそうだが・・・。
それでも何より・・・。
『傷つけたくない』
戦闘職種に関わっているのに、その想いは矛盾している。
小田原での抗争は激しいものだと予想され、その中に笠原を置いておきたくなかった。
だが・・・。
笠原の表情を見て、心が凍った。
その表情は胸に焼き付いて離れない。
ショックで呆然としていて、今にも泣きそうな。
『傷つけたくない』
そんな風に想いながら、自分が一番傷つけている。
それでも、戦場で傷ついて、取り返しがつかないことにはしたくはない。
例え、どんなに笠原を傷つけようとも・・・。
恋人未満。
漫画版12話の続き。
漫画版12話の続き。
階段を降りながら郁と堂上が会話をしていると、郁が足元のバランスを崩した。
隣にいた堂上は咄嗟にその身体を支え、郁を一喝する。
郁の身体は思っていたよりも軽かった。
そんな事が一瞬、堂上の頭を過ぎる。
「あの・・・教官。下・・・足着いてます」
「・・・・・・・・・・・む」
郁に言われたとおり、郁の長い足は階段の一番下の床に着いていた。
その事が郁の身長の高さだとわかり、少しだけ悔しかったが。
「そうか・・・。なら、大丈夫か」
「はい、ありがとうございます」
郁は何事もなかったように、自分に笑いかけてくる。
堂上自身も怒りがようやく収まり、自分の手が郁の腰にあった事を思い出して、慌てて手を離した。
「ほら、立てるか」
「すみませんっ」
堂上は郁の手を取り、身体を起こしてやる。
その身体は先ほど思ったとおり、軽くて驚いた。
そしてその手も、自分よりも小さい。
そんな事を考えていたら、郁が首を傾げていた。
「あの・・・堂上教官?」
「いや・・・何でもない」
堂上は手を離し、再び歩き出す。
「全く、もう少し注意力を持て」
「なっ!!すみませんってば」
郁は言われた事に怒りながらも、堂上のあとに続いて歩き出した。
恋人未満。
どうしてこんなことになった・・・?
堂上は、今の状況とこれからどうすればいいのか悩んでいた。
隣をちらりと見る。
そこには自分の肩に身を預けて、眠る郁の姿。
その表情は気持ちよさそうだった。
2人で休憩を取るうちに、郁は気がつくと眠ってしまっていた。
今は休憩中で問題はないが。
だが、あまりにも気を緩みすぎな事を叱責したくなる。
それと同時に、気持ちよさそうに眠っているのを起こしたくなかった。
「どうしたものか・・・」
さすがに動いて去る事も出来ず、郁を1人で寝かす事も出来ない。
一応は女性だし、大事な部下だし、無謀な郁を放ってはいけない。
大事な部下だから・・・というのは、自分でも逃げの理由だった。
「ん・・・・・・」
ふと、郁から声が漏れる。
一瞬起きたかと思ったが、それは夢の中の呟きでしかない。
甘い声に、堂上はどきりとした。
自分の今の感情が部下に対するものではないのは、明らかだった。
郁の温もりが伝わってくる。
横から見た郁の顔は、意外とまつげが長いんだなとかそんなことを考える。
その考えにまた焦った。
「笠原・・・」
思わず自分の手を郁の顔に近づけた時。
「休憩終わりですよ~。班長」
「!!」
堂上は思わず固まり、その声の方向を見た。
そこには、面白そうに見つめる小牧の姿があった。
「これはだな!!こいつが寝て仕方なく」
「何も言ってないけど」
紅潮する堂上に小牧は笑っている。
その笑いと恥ずかしさから、つい声が大きくなった。
「起きろ!!笠原」
「は・・・はいっ」
いきなり現実に戻された郁は、慌ててその姿勢を正す。
「え・・・と。あれ?」
いきなりの事で状況が把握出来ず、郁は目を瞬かせている。
「休憩は終わりだ。行くぞ」
「何か教官機嫌悪くないですか?」
「煩いっ」
訳がわからない郁に、堂上は堪らず強い口調で切る。
「不器用だね・・・」
そんな友人の様子を小牧は笑いが止まらなかった。
恋人未満。
漫画版11話の郁サイド。
自分の発言のせいで、堂上教官が火傷をしてしまった。
自分をかばったせいで。
それでも「考える会」の会長に対する毅然とした態度。
それに・・・。
謝る自分の頭に、教官は頭に手を軽く添える。
『悪いことは悪いと言ってやれ。 それでこそ俺の部下だ』
火傷で痛いはずなのに、笑ってそう言ってくれる。
私は、教官に酷いことばかり言って。
迷惑ばかりかけて。
それでも「部下」だと言ってくれる。
この間言ったことも今日のことも、謝る言葉とか
色々言いたかったはずなのに・・・。
今はただ・・・。
堂上教官の手を離したくない。
この傷ついた手を少しでも癒せればいいのに・・・。
そう思いながら、手を離せなかった。
恋人未満。
「可愛い、もの」の郁サイド。
「可愛い、もの」の郁サイド。
休日に、堂上教官を見かけた。
それもやたらと可愛い雑貨のお店で。
こっそりと携帯でその姿をおさめようとしたら、あっさり確保。
聞けばあのお店で「ねだられた」らしい。
その相手は、女の人で。
堂上教官が、苦手なお店にいるほど、その買い物をしようとしている。
その事実に胸が騒いだ。
それだけ、「大事な人」なのだろうか・・・と。
でも、何故気になるかはわからなくて・・・。
そんな中、教官が渡してくれたのは、「ももイルカ」
お礼としてさりげなく、渡してくれた。
過ぎるのは、苦い思い出。
「似合わなくないですか?こーいうカワイイもの」
堂上教官にすがり付いて、何を聞いてるのだろう?
でも、教官には言って欲しくなかった。何となく。
そんなことを考えていると、教官はさっき買ったぬいぐるみたちを私の頭から落とした。
「悪くないんじゃないか?」
そんな言葉が彼の口から漏れる。
「似合う」とも「似合わない」とも言わない。
けど、堂上教官の言葉はとても嬉しかった。
こっそりと散らばったぬいぐるみを片づける、堂上教官の姿を写真におさめる。
その姿こそ、「可愛らしく」、つい顔がほころんだ。
結局、教官の渡す相手は妹さんらしく。
その事実に何故か安心したのは、秘密だ。
恋人未満。
コミックス3巻収録。特別編2の堂上サイド。
コミックス3巻収録。特別編2の堂上サイド。
店内で紙袋を広げ、先ほど買ったぬいぐるみたちが散らばっていく。
20過ぎた男がこんなものを大量に持っていても、気持ちが悪いだけだ。
だがーーー。
「ーーそのお前の苦手な『かわいい物』で囲ってみた」
例のぬいぐるみたちに囲まれているのは、部下である笠原郁。
どうやら、自分が「かわいい物」が似合わないと思っているらしい。
『でっかいし、女らしくないし…』
と。
そんな風に考えている姿はまさしく「女の子」だ。
だが、その表情は冴えない。
らしくない姿に、自分が持っていたぬいぐるみを笠原の頭から落とした。
「悪くないんじゃないか」
その姿を見て出たのは、そんな言葉で。
実際はちゃんと他の言葉があったはずなのに…。
そんな言葉言える自分ではないし、そんな間柄でもない。
だから、言えたのはそれだけだった。
けれど…。
「何言ってるんですか・・・もう!」
いつも通りの表情にホッとしていた。
たまにはこんな日があってもいいと思いながら・・・。
「バカップルな二人のお題」より
夜も更けてきた頃。
昼間ほど騒がしくなく、外からは虫の声が聞こえる。
だが、千尋にはそんな余裕がない。
「んっ……ふぅ」
寝室から聞こえるのは、千尋の声。
それも少し艶っぽい。
「……はぁ。も……アシュヴィン」
「どうした?」
「ちょっと苦しい……」
「そうか?俺はもう少し口づけていたいんだが?」
「っ!!」
アシュヴィンは千尋の唇をなぞって、笑っている。
その余裕が悔しくて、千尋はアシュヴィンの身体を押しやる。
「私は……そんなに長くは無理」
「そうか?お前の反応が面白くてな」
「面白いって」
アシュヴィンの言葉に千尋は少しムッとした。
アシュヴィンの口づけに、こっちは必死だったのに。
「そう怒るな。お前の反応があまりにも可愛らしくて、もっと見たくなる」
「そ、そんなこと言われても……」
アシュヴィンはさらりと、千尋が照れるような事を言う。
その度に、千尋はどう反応していいかわからなくなってしまう。
「千尋」
「え……んっ」
千尋の一瞬の隙をついて、再び口づける。
「ちょ……アシュヴィン」
「俺は片時もお前と離れたくないんでな。例え少しの隙間でも埋めたい」
「そんな……ん」
(く……悔しいっ!!)
アシュヴィンの言葉に反応するものの、反論できずに塞がれる。
千尋は徐々に抵抗する力を失われ、その身を預けていた。
~fin~
「バカップルな二人のお題」より
日も暮れた頃。
アシュヴィンが帰ってくると、千尋が小走りで駆け寄ってくる。
そんな千尋が可愛くて、アシュヴィンは自然と顔が緩む。
「アシュヴィンッ、お帰りなさいーー」
「ああ。ただいま」
笑顔で迎える千尋につられて、アシュヴィンも笑ってしまう。
「今日も変わりなかったか?」
「うん、今日は……」
話している途中で、アシュヴィンは何かに気づいた様子だ。
「アシュヴィン?どうしたの?」
「千尋…。怪我してるな」
「あ……」
アシュヴィンは目ざとく、千尋の手を取って見つめた。
その指には、わずかだが小さな傷がある。
「どうした?」
「ちょっと、引っ掛けちゃっただけだよ…。こんなの舐めとけば、全然平気だよ!!」
「………」
アシュヴィンは千尋の手を取ったまま、その指に口付けた。
「ちょ……っ!っ…」
アシュヴィンがその指の傷を舐めて、わずかな痛みと…。
一気に千尋の体温が上昇していく。
(……何か変な感じ…)
そんな千尋にアシュヴィンは平気な顔をして、口から離した。
千尋は対照的に、顔が紅くなり動けない。
「少し……赤くなってるな。…ん?どうした」
「あ……」
「あ?」
「アシュヴィンの馬鹿ーーーーーーーー」
気がつけば、千尋は大きく叫んでいた。
だが、アシュヴィンにはさっぱり意味がわからない。
「お前が、舐めとけばって言ったんだろうが…。だから、その通りにしただけだ」
「そういう意味じゃないーーっ」
その後…。
千尋はしばらくご立腹な様子で、部屋に立てこもったとか…。
アシュヴィンは理由がわからず、部屋の前で立ち尽くしていたらしいとか…。
そんな常世の一日。
~fin~
「バカップルな二人のお題」より
ある朝の出来事。
アシュヴィンが遠方へと仕事のために、出かけることになった。
そのため、千尋は見送りをしていた。
「アシュヴィン、もう出かけるの?」
「ああ。2~3日は留守になる」
「そっか……」
「何だ。そんなに俺がいなくなると寂しいのか」
「!!」
ストレートなアシュヴィンの言葉に、千尋は顔を紅くして俯く。
「……馬鹿」
「お前な。こういう時くらい、素直に言ったらどうだ」
それが千尋なのだから仕方ないと、アシュヴィンは分かっているが。
そんな所もアシュヴィンにとっては、可愛らしくて仕方がなかった。
「俺はお前に会えなくなるのは、寂しいんだが?」
「―――っ」
明らかにアシュヴィンは楽しそうだ。
それが悔しい反面、アシュヴィンの言葉は嬉しい。
そして、それもまた悔しい…。
千尋はアシュヴィンの服の裾を掴み、アシュヴィンを見上げた。
「私……も」
「ん?」
「私も寂しいから、早く帰ってきてね」
「!!」
素直な千尋の言葉に、アシュヴィンは不意をつかれた。
「でもっ、無理しちゃダメだから。それとっ」
千尋の次の言葉を塞ぐように、アシュヴィンの腕が千尋を抱きしめる。
「―――っ」
間もなくその唇は塞がれていた。
「んぅ……。っ……ぁ」
途中に千尋の甘い声が漏れるが、すぐには解放されない。
アシュヴィンの口付けは深く、息継ぎすら許されない。
「……ぁ。ふぅ…」
「おっと」
力が抜けた千尋をアシュヴィンが支える。
「いきなり……こんな」
「お前が素直に可愛い事を言うからな……。それと栄養補給」
「え?」
「暫く会えないんだから、これくらいいいだろう。俺としてはまだ足りないくらいだが?」
「!!!」
「だが、俺の奥方は恥ずかしいみたいだしな」
「あ、当たり前でしょ!!」
顔を紅くして怒る千尋に対して、アシュヴィンは余裕のまま笑っている。
「でも……もっと」
「もっと何だ?」
「もっと、抱きしめてほしい……かも」
恥じらいながら言う千尋にアシュヴィンは……。
「…………わかった」
先程以上に強い力で、千尋を抱きしめる。
「俺はやっぱり、お前には勝てないみたいだな」
「?……何が?」
「いや、お前は知らなくていい」
千尋の行動一つに、振り回されている自分がいる。
その行動に気持ちが大きく揺さぶられる。
それを千尋は無意識にやってのける。
「それじゃ、行ってくる」
「いってらっしゃい」
そこには離れ難そうにしている、夫婦の姿があった。
~fin~
「バカップルな二人のお題」より
それはある日のこと。
「何か、アシュヴィン。最近疲れてるんじゃない?」
「そうか?」
落ち着いた日の夜の事、千尋はふと気がついた。
「ええ。何だか、少し顔色が悪いみたいだけど……」
「まあ、最近忙しいからな。それも仕方がないことだ」
「でも……」
千尋の表情が曇り始めている。
だが、アシュヴィンもまた気になっていた。
「お前こそ、すぐに無理するだろうが」
「え?そうかな」
千尋は自分の話になると思っていなかったので、慌てた。
「そうだろう……。この間だって、体調悪くしたし。それに…」
「大丈夫!!だって、この国を平和で保つ事は苦じゃないから…。むしろ楽しいし」
「楽しい?」
「うん。アシュヴィンとこの国を作ってるんだなぁって……だから大丈夫なの」
「……」
「?アシュヴィン?」
急に黙ってしまったアシュヴィンに、千尋は変な事を言ったのでは?と不安になる。
「お前は……どうしてそう……」
「?」
「可愛いんだろうな」
「!!!」
アシュヴィンの思いもがけない言葉に、千尋は目を丸くする。
「何言って……んっ」
その言葉はアシュヴィンによって、塞がれていた。
「んっ……っ。ぅ……」
その口付けは激しいもので、千尋は翻弄された。
しばらくしてようやく解放される。
解放された時には、千尋は体勢を維持出来なかった。
その身体をアシュヴィンが支える。
「おっと……。大丈夫か?」
「何……で。いきなりこんな…」
千尋は少し涙目になりながらも、アシュヴィンを見つめる。
「何って。お前が可愛い事を言うから、止まらなくなった」
「!!!!」
飄々と言うアシュヴィンに、千尋は顔を紅くして固まってしまう。
「……馬鹿」
「そんなに嫌なのか?」
「嫌じゃないけど……。恥ずかしいの!!」
千尋はアシュヴィンを睨むが、大して効果はない。
寧ろアシュヴィンにとっては、逆効果だった。
「なら、もう少し優しいのがいいか」
「……」
アシュヴィンの言葉に千尋は、頷く事しか出来なかった。
その言葉通りに、次の口付けは先ほどよりも優しい気がした……。
~fin~
孔明×花
あの日、君の手を掴めなかった時から、
ボクの気持ちは日々積み重なっていく。
そして、それは今も……。
「師匠って好きな人いるんですか?」
そう花は、あっさりと聞いてくる。
素直で好奇心が旺盛なの結構だけど、複雑な気持ちになる。
君はボクにそこまでの関心を持っているのか、いないのか……。
「いるよ、大事な人」
そう言えば、花は驚いた声を上げている。
そこまで意外かなぁ……。
君の存在が、ボクにとってどれほどの存在か君は知らない。
大事で、大切で……。
ただ一人の、女の子。
「……私の知ってる人ですか?」
「……ううん。ここにはいない人だよ」
君は、いずれ帰る。
本当ならこの世界にいない人物。
だから、どれほど恋焦がれていても、決して手には入らない。
手には入れてはいけない。
君が故郷へ帰って、幸せになれるなら
ボクは君に対して、力を惜しまない。
だから今だけは……。
君の温もりに触れていたい。
冗談でしかふざけてでしか、君に触れられないけど……。
それでも……、今はこのままで……。
ボクは花の膝の温もりを感じながら、目を閉じていた。
~fin~
仲謀×花 「好きの理由」続き
一体、どうしてこんなことになったのかな…?
気がつけば、何故か私は仲謀に追い掛け回されている。
だけど、それもすぐに決着がついて、
体力の差と体格の差が出ていた。
私は壁に背を向けて、仲謀の腕から逃れられない状況だった。
そして、仲謀は明らかに不機嫌顔だった。
「一体どういうことだ?」
「な、何でもないのっっ」
「何でもない奴がいきなり逃げるか!!」
確かに、私の行動は挙動不審だと思う。
でも、口にするのはやっぱり難しい。
「何か理由があんだろ。話せ」
「…………」
そして、理由を話さずに乗り切るのはもっと難しいと思う。
それに仲謀に嘘をつきたくなかった。
「……大喬さんと……小喬さんに」
「ああ。大小の2人が?」
「聞かれたの」
「何を?」
「仲謀の……」
「俺の?」
「どこが好きか……って」
「…………はぁ?」
仲謀は不機嫌をよそに、驚いた声を上げていた。
た、確かに、こんなこと言ったら驚くよね……。
ようやく言葉に出来たけど、私は恥ずかしさがいっそう増していた。
「それで……」
「え?」
「お前は何て答えたんだ?」
「っっ!!」
気がつけば、仲謀の顔が間近にあっった。
「気になるの?」
「当たり前だろ!!」
「…………」
私は苦し紛れに、ある事を口にした。
「仲謀……も教えてくれたら……言うよ」
「はぁ!?」
さすがに仲謀もこれは嫌がるから、逃げられるかも!!
「仲謀?」
「ち……っ。わかったよ。言えばいいんだろ」
「え……」
てっきり、嫌だって言うかと思ったのに……。
「ただし……」
「ひゃ……」
仲謀は私の身体を簡単に抱き上げていた。
な……なんで?
「ここじゃダメだ」
「ど……どうして?」
「こんな事、他の奴らに見られてたまるか」
仲謀の顔が紅くなっているのがわかった。
きっと、照れている顔を見られたくないんだと思う。
私は仲謀の胸に顔を寄せる。
仲謀の胸の鼓動が速いのがわかって、私も安心する。
怒るから言えないけど、仲謀の照れた顔も好きなんだよね。
私は仲謀の部屋に入り、扉は静かに閉められていた。
~fin~
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プロフィール
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文月まこと
性別:
女性
自己紹介:
乙女ゲーム・八犬伝中心に創作しています。萌えのままに更新したり叫んでいます。
同人活動も行っています。
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